日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫) / 岡田英弘(2)
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最終更新日:2018/07/16
読書
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日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫) 岡田 英弘 筑摩書房 2008-06-10 売り上げランキング : 17519 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★★☆(岡田史学はオモシロイがある意味オソロシイ)
前回の記事「日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った (ちくま文庫) / 岡田英弘 」の続きです。
中国というのは最近できたあの国のことですので、あの土地の歴史をウンヌンするときに土地の名前にはチャイナかシナという言葉を使うのが普通です。
中国はチャイナの歴史の最後の70年にしか存在しません。
チャイナ(英語)はもちろんシナ(梵語)に由来していますし、シナは紀元前 2世紀頃にインド人が秦のことを呼んだのが使われた最初です。
清朝末期以後の歴史は毛沢東が書き換えているので、清と中国に関しての中国史料は注意が必要ということです。
岡田史学では歴史の始まりを司馬遷の史記に定めているので、それ以前の王朝(夏、殷、周、秦)については歴史ではなく考古学の対象としています。
もちろん史記には神話時代から秦も書かれていますが、漢(当時は武帝)の正当性を証明するために創作や捏造が混じっているということですね。
それらの創作や捏造を除きながら、正しい歴史を築き上げていくという方法論とその結果の面白さが岡田史学の最大の面白さでしょう。
一例をあげれば、漢の皇帝は周辺民族の王とは違い、武力団の棟梁ではなく商人の長だという指摘があります。だから北方民族に対して武力ではなかなか勝てず、王朝交代を許したこともしばしば。それが負け惜しみとしての中華思想を生んだということです。
このような非常に重大なネタがこれでもかこれでもかと出てくるので読み終わるのがもったいないくらいの知的興奮が味わえます。
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