万年筆 (平凡社カラー新書) / 梅田晴夫(2)
公開日:
:
読書
以前の記事「万年筆 (平凡社カラー新書) / 梅田晴夫」の続きです。
著者の故・梅田晴夫さんは文筆家でフランス文学専攻。三島由紀夫の親友で、川端康成とも親交があったそう。
万年筆の収集家で 200種類1000本を集めておられたとか。
1000本は圧巻ですが、ヤフオクで中古万年筆のまとめ買いをしていけば超えることは可能でしょう。
しかし、梅田さんのように明治・大正時代の逸品を入手することは困難でしょうね。骨董店巡りでもしないと。
*
この人はプラチナのロングセラー #3776 の生みの親(チーフアドバイザー的な役割)でもあります。
ちょうど昨日私も #3776 にインクを入れて懐かしがったところです。私の #3776 はギャザードで入手してもう 40年になります。
古典インクで楽しんでいたせいかインクフローが悪くなっていたので、ここ数年は何度も超音波洗浄してメンテしています。
心なしか最近復活してくれたようです。病み上がりなので大事に使います。
*
この本は 1978年発刊(私は翌年購入)で現在絶版です。
万年筆の歴史や万年筆に関する逸話がたっぷり。
ご自慢のコレクションのカラー写真がお宝でしょうか。もはやお目にかかれないような品も多数。
たとえば、アテナ(丸善)やイージーなどの日本製、ウァールやエバシャープ、ムーア、カーターなどの米国製、バヤリー、カッスル、ゲーハーなどの西ドイツ製、スイスのグローバルなど。
アメリカあたりのオークションでは入手可能かもしれませんが。それほどの熱量はないなぁ。
しかし、パイロットのスーパー500 はかっこいいなあ(↓)。
長く手元に伸びるインレーニブが勇者ライディーンのアゴのような。
*
万年筆は性能などほぼすべての面でボールペンに負けていますが、書き心地と長寿命という点では勝っていますね。
インクやカートリッジを入れ替えれば「1万年使える」わけですから。
なかにはナカバヤシの使い捨てのようなものもあり、1年ももたないようなものはワン年筆と呼んでほしいですが。
ボールペンの替え芯は製造しなくなることはあっても、インクはかなり長く作られていくでしょうから、ほんとうに1万年後も使える万年筆があったりして(あるか~)。
*
この本の最後のほうに悪筆家列伝が載っています。
ナサニエル・ホーソン、トーマス・カーライル、ナポレオン・ボナパルト、丹羽文雄、石原慎太郎、宇野鴻一郎、黒岩重吾、富島健夫など錚々たる顔ぶれです。
以前にも書きましたが、知人ですごい悪筆家の医師がいて、カルテもモンブラン149の太字を使って書いていました。
普通の人が見たら「アラビア語?何語?それより本当に文字なの?」というレベル。私にも毛虫の行列にしか見えませんでした。
看護婦さんも2人しか判読できなかったようですし、彼女らも書いた本人に「これは?」と訊いても かなりの確率で「判らない 誰が書いたんや」という答えが帰って来たとか。
字の汚い人はせめて細字でゆっくり書いてくれ~という話でした。
###
関連記事
-
-
日本地図から歴史を読む方法〈2〉―なぜ、そこが“事件の舞台”になったのか…意外な日本史が見えてくる (KAWADE夢新書) / 武光誠
日本地図から歴史を読む方法〈2〉―なぜ、そこが“事件の舞台”になったのか…意外な日本
-
-
FXを超えるCFDの教科書 / 高島 秀行
FXを超えるCFDの教科書 高島 秀行 幻冬舎 2010-03-20 売り
-
-
小さな会社が一瞬で顧客とキャッシュをつかむ5つの成功戦略(その2)
ジョイントベンチャー 先日買った「小さな会社が一瞬で顧客とキャッシュをつかむ5つの成功戦略(原
-
-
金持ちになるための濃ゆい理論 / 上念 司 (2)
★★★☆☆ 前回の記事「金持ちになるための濃ゆい理論 / 上念 司 (1)」の続きです
-
-
異次元緩和の先にあるとてつもない日本 / 上念司
異次元緩和の先にあるとてつもない日本 上念司 徳間書店 2013-06-21 売
-
-
シルバーグレーの金銭学 / 邱永漢
★★★☆☆ 1989年に出た邱永漢(きゅうえいかん)先生の著書。 本棚に眠っているの
-
-
FX 「シグナル」を先取りして勝つ! -稼ぐ人はなぜ相場の動きを読めるのか? / 松田 哲
FX 「シグナル」を先取りして勝つ! -稼ぐ人はなぜ相場の動きを読めるのか?-
-
-
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え / ジェイエル・コリンズ(2)
★★★★☆ 以前の記事「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え / ジェイエ
-
-
万年筆バイブル / 伊東道風
★★★★☆ 2019年発売。 日本が誇る文房具店の伊東屋の万年筆スタッフたちが架空の
-
-
新・貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する / 橘玲(2)
以前の記事「新・貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する / 橘玲」の続きです。