胸部単純X線写真での異常影
公開日:
:
最終更新日:2025/05/08
画像診断
いつの写真か全く覚えていませんが、かなり年配の女性。
「検診の胸部単純X線写真で異常を指摘された」という目的で、開業医からある病院に CT の依頼がきました。
その時の CT での位置決め用のスカウトビューがこちら(↓)。
スカウトビューなので単純X線写真ではありませんが、ほぼ同じ像になると思われます。
左右の乳房内(?)に殻状の濃度の高い構造が見られます。石灰化みたいですね。
これから読み取れるのは、
- 肺からは はみ出していいるので、肺内にとどまるものではありません
- 肋骨に対する変形、erosion はないようです(肺と胸壁との両方にまたがって存在するものでもない)
- 右では広背筋の外縁のラインよりわずかに突出しているので、背中のものでもありません
ということで、前胸壁内おそらく乳房内のものであろうと 検診の胸部単純X線写真でも判断できます。
乳房内にある左右同じくらいの丸みを帯びた石灰化しやすいもの・・・アレですね。
被検者に ゴニョゴニョと ある質問をすれば、CT なんか撮る必要はなかったわけですね。
###
関連記事
-
-
遠隔画像診断のビジネスモデル(3)
ビジネスモデルらしくないので、さらに模式図を補完していきます。 * 上段が従来のファイル
-
-
会社組織にこだわらない
私のブログ「遠隔画像診断てれらじ庵」に「変に会社にこだわらない」という記事を載
-
-
とんでもない画像診断システム
前にもいろいろ書きましたが、今回はとんでもない画像診断システムの話。
-
-
「画像診断雑記」サイト更新 / 以前からの頚部痛
「画像診断雑記」サイトを久々に更新しました。 ⇒ 「画像診断雑記」 以前からの頚部痛 こ
-
-
画像診断管理加算バブルの終焉 テラークへの影響
* 画像診断管理加算バブル崩壊をきたした原因となった一部の関係者には猛省を促したいですが、我々
-
-
2015/12/11 画像診断メモノート更新
久々に画像診断メモノートを更新しました。 と言っても、件数は 1532 で 10程度しか増えて
-
-
胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) の答え
前回の記事( 胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) )の胸部レントゲン写真ですが、
- PREV
- 横静脈洞内のクモ膜顆粒
- NEXT
- 一神教は砂漠で生まれ、多神教は森で生まれた