*

横静脈洞内のクモ膜顆粒

公開日: : 最終更新日:2025/05/07 画像診断

クモ膜顆粒(くも膜顆粒、パッキオーニ小体、arachnoid granulation)とは静脈洞に突出する桑の実のようなクモ膜の塊です。
ここから 髄液内のある種の成分が静脈に移行するわけです。

つまり、静脈洞のないところには見られません
後頭骨内の板間クモ膜瘤をクモ膜顆粒と呼んでいる人がいますが、間違いです。

当然ですが、横静脈洞内にもクモ膜顆粒が見られることがあります(下記の画像データの出典は不明)。

T2強調画像では右横静脈洞は flow void で無信号ですが、左横静脈洞は流速が遅いためか無信号にはなっていません。
FLAIR でも左横静脈洞はやや高信号になっています。
その中に突出したクモ膜に覆われたクモ膜下腔が クモ膜顆粒ということです。脳脊髄液と似通った信号を示します。

まとめ

  • クモ膜顆粒はクモ膜が静脈洞内に突出したもので、内部に脳脊髄液を含む
  • 脳脊髄液と似通った信号を示す
  • 静脈洞のないところには存在しない
  • 髄液から過剰な水分などを静脈に流すルートとなる
  • 横静脈洞内のクモ膜顆粒と後頭骨内の板間クモ膜瘤とは直接の関連はなし

###

 

 

 

関連記事

画像診断クリニック

* 今週は2ヶ所の画像診断クリニックの経営陣と懇談する機会がありました。 どちらも近隣の開業

記事を読む

原始舌下動脈遺残のMRA

  * この10年間で3例目ですが、原始舌下動脈遺残です。 原始三叉動脈遺残はしょっち

記事を読む

クラウド型と非クラウド型の違い(遠隔画像診断システム)

一応比較のために挙げておきます。 * クラウド型(イーサイトなど)

記事を読む

iliac wing sign

The iliac wing sign / 骨盤外傷のサイン

T2WI 前額断像[/caption] 上の画像は左恥骨体部骨折の症例の急性期の T

記事を読む

遠隔画像診断 / サーバーの管理

* 遠隔画像診断サービスを自分で行う場合ですが、 サーバーの管理が大変そう というご質

記事を読む

地方の中核病院の画像診断における医療崩壊

以前の記事(⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合)では、

記事を読む

no image

視床は基底核ではありません

諸説あれど、一般的には・・・ 狭義の大脳基底核=被殻、尾状核、淡蒼球 広義の大脳基底核=

記事を読む

2000万円を不正受給? 彦根市立病院放射線科医師のケース

* 滋賀県彦根市は30日、市立病院放射線科部長の男性医師(46)が3年6カ月にわたって計2

記事を読む

側頭筋付着部付近の線状の骨化?(2)

前回の記事「側頭筋付着部付近の線状の骨化?」の続きです。 たまたま付属していた前額断を見る

記事を読む

2015/12/11 画像診断メモノート更新

久々に画像診断メモノートを更新しました。 と言っても、件数は 1532 で 10程度しか増えて

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Ryzen5 ミニPC 購入

また ミニPCをアマゾンで注文。 「インテルは逝ってる」ようなの

「pCloud」というクラウドストレージサービス

pCloud というクラウドストレージサービスが Youtube で紹

イラン・イスラエル戦争

イスラエルがイランを攻撃してから数日しか経っていませんが、イランは戦闘

SUV は嫌い

先日、愛車(2017年式)の点検に行ってきました。 半日かかるの

ドルをちょっぴり円転

本日、アメリカ株のごく一部を売却し、ついでに円転してドル資産の割合を減

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑