ふざけた遠隔画像診断システム(続き)
*
- 患者リストから患者を選択
- 数秒~数十秒待たされる
- 患者画面から「読影」を選択
- 数秒~数十秒待たされる
- 「レポートを書く」を選択
- 数秒~数十秒待たされる
でようやく読影可能になるシステムですが、なんでこうなっているのか。
*
情報はないが、推測してみました。
このシステムはデータセンター上のサーバー(親鯖と呼びましょう)と各読影拠点のボックス型サーバー(子鯖としましょう)とが連携を持って行うシステム。
だから同じ患者のデータが別々の子鯖に存在できて、先に読影開始(ロックをかける)した人のデータに他の子鯖からアクセスできないようにする必要があります。
そのため、子鯖が増えれば増えるほどデータベースの同期をとるのに時間がかかるものと思われます。各子鯖はネットワーク的に離れており、インターネット経由の通信に少なくとも数十ミリセカンド以上の時間がかかります。
それと、頻繁に同時に読影開始がかからないように、わざと状態遷移に時間をかけさせている可能性もあります。
上のような事情が3回も待たされる理由でしょう。
それ以外には悪意でこうなっているとしか考えられないですね。
*
普通のシステムは1回クリックすれば患者の読影が始められます。
決められた患者のデータを重複することなく特定の読影医の端末にファイル転送する旧来のシステムでは、上記のような「1人の患者を複数の読影医が同時に読影依頼をかける」ことは振り分けで間違えない限り起こりません。
イーサイトのようなクラウド型では、子鯖はなく、データセンター上の親鯖の仮想環境に読影医側からアクセスするので、院内の読影システムと同じような状況であり、「1人の患者を複数の読影医が同時に読影依頼をかける」事態はめったに起こりません。判定にミリセカンド単位の時間なんてかからないでしょうから。
*
たぶん上記の理由で3回もクリックさせているのでしょうが、少々時間がかかっても 1回だけにすることは可能なのではないでしょうか。
まあ、1分以上待たされて「他の読影医がすでに開始しています」と拒絶されてもハラは煮えたぎることでしょうが・・・
でもまあ、そう改良しても子鯖がどんどん増えていけばどうしようもなくなることが目に見えています。
やはりクラウド型に勝るものはないでしょうね。
###
関連記事
-
-
クラウド型と非クラウド型の違い(遠隔画像診断システム)
一応比較のために挙げておきます。 * クラウド型(イーサイトなど)
-
-
遠隔画像診断会社 バイト医師
武士の情けで、どことは書きませんが、ある遠隔画像診断会社の HP にこんなことが
-
-
画像診断2017年7月号 側頭骨領域の画像診断
画像診断2017年7月号 Vol.37 No.8 画像診断実行編集委員会 学研プ
-
-
遠隔画像診断は遠隔地画像診断である
* 今回の画像診断管理加算問題を見ると厚生省の考えは、 画像診断管理加算1は常勤画像診
-
-
胸部レントゲンを読影していて「先生は胸部のCTも読めますか?」「えっ?」
* 以前アルバイトで、とある健診施設の胸部レントゲン写真の読影をしていたときのエピソード(以前
-
-
Focal Periphyseal Edema (FOPE) Zone / 膝だけかと思ったら手首にもあるのね
高校生ラガーマン。 舟状骨近位部の骨折の患者ですが、橈骨の骨端線に直行する 2本の線状硬化
-
-
Philips SpeechMike LFH5276
* ヤフオクでオフィスワールド( officeworldoa )という業者さんから入手。
-
-
臨床画像 2017年3月号 Q & Aでおさえる vascular imaging 最重要ポイント
こちらでバックナンバーが買えます(Fujisan.co.jp)臨床画像 2017年3月号
-
-
整形画像読影道場 / 仲田和正
★★★★☆(面白い) 著者は自治医科大学出身の整形外科医。69歳くらいの超ベテランでいらっ
-
-
『遠隔画像診断起業への道』メルマガテスト配信開始予告(2)
しれっとメルマガ名が変わっていますが、『遠隔画像診断起業への道』というメルマガは テスト配信をぼちぼ
- PREV
- とほほな画像診断システム
- NEXT
- 2分以内で仕事は決断しなさい / 吉越浩一郎
Comment
[…] ふざけた遠隔画像診断システム(続き) […]
[…] ふざけた遠隔画像診断システム(続き) […]