古代七大王国の謎 / 中江克己
公開日:
:
読書
![]() |
古代七大王国の謎 (学研M文庫) 中江 克己 学習研究社 2001-10 売り上げランキング : 1219601 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆
トンデモ本かと思ったら違いました。
大和朝廷成立以前に、「日向」「筑紫」「吉備」「出雲」「越」「津軽」「オホーツク」には特有の文化圏が形成されていました。
いずれも大和朝廷に吸収、統合されていくのですが、それらの七大王国について、実際に現存する遺跡、古文書、伝承などを紹介し、大胆な仮説を提唱しています。
まあ、日向は大和朝廷の発祥の地かもしれませんし、筑紫、吉備、出雲は朝廷が大和に移ってから対立しながらやがて統合されていったのでしょう。
それらは他の本にも書かれており、あまり目くじらをたてることもないのですが、おもしろいのは 越、津軽、オホーツク。
越はふつうは継体天皇のころから注目されますが、それ以前は境界もあやふやで闇に包まれています。ヒスイなど特徴のある産物があり、大陸との関係も深く、東北地方への橋頭堡としても重要です。
津軽は安倍氏の末裔たる安藤(安東)氏の王国で十三湊を支配していたが、地震で弱体化し最後は南部氏に追われて北海道に逃れたあの政権のこと。
オホーツクはちゃんとした国家ではなく特異な文化圏で、オホーツク人という海洋民族(ギリヤーク民族?)が大陸からやってきて、山の民族である原住民の擦文人と対立するが、フビライによる樺太征伐で大陸との交流を絶たれたために土着化し、擦文人と交流しアイヌ人の祖先となったという説を提唱しています。なかなか興味をひく話です。
普通の古代史に飽きて別の視点をもちたいと思っている人にはいいヒントが得られそうな本です。
関連記事
- 清張 古代史記 / 松本 清張
- 古代史を解く九つの謎 / 黒岩 重吾
- 逆説から読みとく古代史 / 武光 誠
- 古代史の真相 / 黒岩 重吾
- 古代史を彩った人々 / 豊田有恒
- 逆転の古代史! / 関 裕二
- 甦る日本史〈1〉古代・貴族社会篇―頼山陽の日本楽府を読む / 渡部 昇一
###
関連記事
-
-
背徳のクラシック・ガイド / 鈴木淳史
背徳のクラシック・ガイド (新書y 225) posted with amaz
-
-
MarketHack流世界一わかりやすい米国式投資の技法 / 広瀬隆雄
★★★★☆(これはお勧め) 2013年の本ですが、今でも使えます。 広瀬隆雄氏は現在
-
-
「瑞穂の国」の資本主義 / 渡邉哲也
「瑞穂の国」の資本主義 渡邉 哲也 PHP研究所 2014-06-12 売り上
-
-
FXメタトレーダーで儲けるしろふくろうのスーパー投資術 / しろふくろう
★★★☆☆ 有名トレーダーのしろふくろうさんの 2009年の本。 メタトレーダー使
-
-
常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」 / 倉山 満
常識から疑え! 山川日本史 近現代史編 下 「研究者もどき」がつくる「教科書もどき」
-
-
日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか / 黄文雄
日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか 黄文雄 徳間書店 2012-0
-
-
脳・脊髄の連想画像診断−画像に見えないものを診る / 森 墾
脳・脊髄の連想画像診断−画像に見えないものを診る 森 墾 メジカルビュ
-
-
お金で苦労する人 しない人 / 中谷 彰宏
お金で苦労する人 しない人―金銭感覚の達人 お金で苦労する人 しない人―金銭感
-
-
プロ脳のつくり方 / 塩野誠
プロ脳のつくり方 塩野 誠 ダイヤモンド社 2007-04-20 売り上げランキ
- PREV
- Vostro3800スリムタワー到着
- NEXT
- Vostro3800 光ドライブ換装







