古代史を解く九つの謎 / 黒岩 重吾
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古代史を解く九つの謎 (PHP文庫) 黒岩 重吾 PHP研究所 2003-11-22 |
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『謎が謎を呼ぶ古代を解く』(PHP研究所)を改題。
古代史は 井沢元彦さんや関裕二さんの解釈が好きなんですが、黒岩先生の小説やその発想も面白いです。
豊田有恒さんも含めてみんな作家であり、学者ではありませんが、学者の説は説得力がないので、やはり作家的な着想や発見が必要だと思います。
- 相次ぐ神殿跡の発見と弥生時代の勢力図
- 銅鐸発見が物語る「出雲神話」のルーツとは
- 大和王権は、いかに成立したか
- 「神武東征神話」の語りかけるもの
- 任那日本府は実在したのか
- 王朝交替の真実
- 英雄ヤマトタケルの本当の姿
- 大和王権に挑んだ「筑紫の王者・磐井」
- 「大化改新」はなぜ起こったのか
という9つの謎を丁寧に解説。
当時の出雲や浪速が平野はほとんどなく、山を背景にした港くらいしかなかったという記述は目からウロコでした。
ヤマトタケルの父の景行天皇には 80人も子供がいたので、複数の皇子のいろんな物語が一人のヤマトタケルに収斂されているという解釈はあたりでしょうね。
読む前に一番興味があったのは磐井で、なぜ戦いを挑んだのか、筑紫物部との戦いがどうであったかが一番知りたいことでした。ここでも黒岩先生の推理は冴えていますね。
大化の改新の起きた原因として、遣隋使の帰朝、山背大兄皇子の性格、蘇我本家の自滅を挙げておられますが、これはなかなかの着眼点。今まで 中大兄と鎌足の悪どさで 100%説明が可能と思っていましたが、ほかにも重要な要因があったのですね。
読後感はスッキリです。読んでずいぶんトクをした気分。
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