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清張 古代史記 / 松本 清張

清張 古代史記

松本 清張

 

日本放送出版協会 1982-11

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今は亡き松本清張氏の古代史に関する集大成と言うべき本。

学者とは違う視点で鋭いところをついておられます。

作家の意見は学者からは無視されることが多いです。

そして、同じ作家仲間の古代史観からも微妙に無視されていることが多いように思いますが、松本清張氏の意見は結構あちらこちらで紹介されていますね。

古事記、日本書紀の謎、邪馬台国(や倭人、一大率)の謎、天皇家の起源などなど、非常に面白いので一度お読みになることをお勧めします。

たとえば、

  1. 前方後円墳は真横が正面
  2. ヒミコの「女王国」は政治的権力は持たなかった・・・宗教的象徴としての名目的盟主であり、伊都国が連合国の首都
  3. 一大率は帯方郡(魏の一部)が伊都国に置いた役人
  4. 天皇が死んで最長2年も殯宮に置くのは鳥葬を行ったからである
  5. 出雲神話は大和で作られた
  6. 稗田阿礼は架空の人物
  7. アマテラスはさほど重要な神でない(タカミムスビが最高神)
  8. 斉明天皇は対馬で唐の軍隊と戦ってその傷がもとで死んだ

などなどすばらしい発想が書いてあります。

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NHK のハードカバー本らしく、カラー写真が多数あります。

なかに、イランの村民ダルヴィッシュさんの写真があったのにびっくり。縁者か?

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古代史を解く九つの謎 / 黒岩 重吾

古代史を解く九つの謎 (PHP文庫) 古代史を解く九つの謎 (PHP文庫)
黒岩 重吾

PHP研究所 2003-11-22
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『謎が謎を呼ぶ古代を解く』(PHP研究所)を改題。

古代史は 井沢元彦さんや関裕二さんの解釈が好きなんですが、黒岩先生の小説やその発想も面白いです。

豊田有恒さんも含めてみんな作家であり、学者ではありませんが、学者の説は説得力がないので、やはり作家的な着想や発見が必要だと思います。

  1. 相次ぐ神殿跡の発見と弥生時代の勢力図
  2. 銅鐸発見が物語る「出雲神話」のルーツとは
  3. 大和王権は、いかに成立したか
  4. 「神武東征神話」の語りかけるもの
  5. 任那日本府は実在したのか
  6. 王朝交替の真実
  7. 英雄ヤマトタケルの本当の姿
  8. 大和王権に挑んだ「筑紫の王者・磐井」
  9. 「大化改新」はなぜ起こったのか

という9つの謎を丁寧に解説。

当時の出雲や浪速が平野はほとんどなく、山を背景にした港くらいしかなかったという記述は目からウロコでした。

ヤマトタケルの父の景行天皇には 80人も子供がいたので、複数の皇子のいろんな物語が一人のヤマトタケルに収斂されているという解釈はあたりでしょうね。

読む前に一番興味があったのは磐井で、なぜ戦いを挑んだのか、筑紫物部との戦いがどうであったかが一番知りたいことでした。ここでも黒岩先生の推理は冴えていますね。

大化の改新の起きた原因として、遣隋使の帰朝、山背大兄皇子の性格、蘇我本家の自滅を挙げておられますが、これはなかなかの着眼点。今まで 中大兄と鎌足の悪どさで 100%説明が可能と思っていましたが、ほかにも重要な要因があったのですね。

読後感はスッキリです。読んでずいぶんトクをした気分。

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【関連記事】

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古代史の真相 / 黒岩 重吾

古代史の真相 (PHP文庫) 古代史の真相 (PHP文庫)
黒岩 重吾

PHP研究所 1996-10
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古代日本史についてのエッセイ。

関裕二さんと井沢元彦さん(どちらも作家)の古代史観が私は好きで、自分の中ではスタンダードとして採用しているのですが、黒岩重吾さんのご意見も尊重に値すべきものと思っています。

この3人それぞれ着眼点が違うので参考になります。

筑紫物部の存在

この本では広開土王碑(広開土王は太王四神記で有名)の意義と磐井の乱についてのご考察が見事と思いました。

筑紫物部の役割が結構重要だというご指摘。

倭の五王

倭の五王についても独自の見解。でも、ここはもっとどんでん返しを期待していたのですが。

小姉君系はなぜいじめられたか

欽明大王の妃の堅塩媛と小姉君は蘇我稲目の娘で同母姉妹と記録には書いてありますが、小姉君の母は実は物部系ではないかという疑問を提唱されています。

資料第一主義の学者にはない発想はさすが小説家ですね。

継体天皇

第26代継体大王(継体天皇)についても理解が広まりました。

父親は滋賀県高島郡、母親は福井県福井市丸山町あたりの豪族(皇族)と喝破されています。

私は大阪府高槻市で仕事をすることが多いのですが、この市には継体天皇陵があります。

当時の政権中心地の奈良県内ではなく、なぜここに陵墓があるのか以前から不思議に思っておりました。

残念ながらその答えはずばりとは載っておりませんでしたが、私はたぶん奈良県内の大豪族が大反対し、物部の本貫地(難波)の端っこにお埋め奉ったのであろうと思っています。

藤原不比等の実の父?

藤原不比等の実の父は天智天皇ではないか、という指摘もあります。

当時の人間関係をあたっていけばこういう結論が最も信憑性を帯びてきます。

小説家ならではの視点ですね。

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この手のものが好きな人には、ともかく面白いのでおすすめします。

このあたりの歴史はチンプンカンプンという人には混乱するだけでしょうが。

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古代史を彩った人々 / 豊田有恒

古代史を彩った人々 (講談社文庫)

豊田 有恒

講談社 1993-03

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1993年発売。

SF作家の豊田さんの古代ネタですね。

神武天皇、蘇我入鹿、坂上田村麻呂、空海など7人を紹介。

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あとの3人は穴穂部皇子、高丘親王、キム ユシンというのが意外。

穴穂部皇子は推古天皇をレイプしようとした人物として有名ですが、歴史を彩ったかどうかは疑問ですね。

高丘親王は平城天皇の皇子で、一度は皇太子になるものの天皇になれずに出家し、空海の弟子になってしまう人物。老境にさしかかり唐に行って、そこからさらにインドを目指したが、途中で客死したという人。

まあ彩ったのかな。

キム ユシンは「善徳女王」に出てくるあのユシン様。朝鮮半島では歴代3本の指に入る将軍。白村江の戦いにも関わっているので、日本史に関係したということが言えますね。

あの最低最悪の天皇については蘇我入鹿の項で出てきますからわざわざ1項をあてていません。

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雑学 古代史の謎―邪馬台国と建国神話 / 豊田 有恒

toyota01.jpg 雑学 古代史の謎―邪馬台国と建国神話 (大陸文庫)
豊田 有恒

大陸書房 1991-01
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豊田有恒さんの古代史の解説。

1991年発売。

ちょっと古いのですが、いろんな説が紹介されており、初学者には最適の1冊となっています。

聖徳太子も冷静に分析してあります。

古本屋で見つけたらどうぞ。

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逆転の古代史! / 関 裕二

逆転の古代史! (廣済堂文庫)

逆転の古代史! (廣済堂文庫)

関 裕二

廣済堂出版 2009-10-27

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2009年発売。

お馴染み、関裕二さんが古代史の7つの謎について、自説をまとめたもの。

各章の最後にショート・ストーリーがついているのが楽しい。

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古代史最大の政治家である蘇我入鹿を暗殺した、古代史最大の悪党である中臣鎌足のぶざまなさまが痛烈に書かれていてスカっとしますね。

鎌足の子孫も××だらけ。

仲麻呂の最期が書かれていないのが惜しい。

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神話に隠されている日本創世の真実 / 関 裕二

神話に隠されている日本創世の真実

神話に隠されている日本創世の真実 神話に隠されている日本創世の真実
関 裕二

「日本書紀」が隠し通した天皇の正体 (廣済堂文庫) 「出雲抹殺」の謎 ヤマト建国の真相を解き明かす (PHP文庫) 「天皇家」誕生の謎 (講談社プラスアルファ文庫) 海峡を往還する神々 (PHP文庫) なぜ『日本書紀』は古代史を偽装したのか (じっぴコンパクト)
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  2005年発売。

 関さんの史観の中では、武内宿禰や神功皇后の絡まっている部分が一番面白いと思っているのですが、この本はちょうどその部分がメインで、それに他のいろいろなエピソードが関わってきて、まさに集大成といったものになっています。

 それにしても藤原氏はどうしようもない悪党ですねえ。

 子孫には償ってもらいたいものです。

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