明治天皇の世界史 六人の皇帝たちの十九世紀 (PHP新書) / 倉山満
公開日:
:
読書
PHP研究所
売り上げランキング: 9,481
★★★★☆
宮脇淳子先生が褒めていたので買いました。
皇帝たち
19世紀のナポレオン戦争以降、世界各国に次々と皇帝が生まれて皇帝の大安売り状態になりました。ブルガリア、ベトナム、韓国にもあったわけです。
それから 100年でほとんどの「皇帝」が消え去ってしまい、今や日本にしか残っていません。
「なぜ日本の天皇だけが残ったのかは専制君主ではなく立憲君主だったから」というのがこの本の最大の主張です。
明治天皇、大英帝国のヴィクトリア女王(インド皇帝を兼ねていた)、ハプスブルク帝国のフランツ・ヨーゼフ1世(お気の毒なお方)、ドイツ帝国のヴィルヘルム2世(大悪人)、ロシア帝国のニコライ2世(厄介者)、大清帝国の西太后(クソBBA)の 6人を比較して詳しく書いています。
隠れたキーマン
この本で特筆されているのは徳大寺實則(とくだいじ さねつね)という人物。明治天皇の右腕で、西園寺公望の実兄。有能な執事の役を勤めたキーマン。
他の本では全く出てこないですけどね。
天皇家について
いろいろ書かれているのですが、私には「宮家」の話が非常にわかりやすく書かれていて参考になりました。
平和ボケ 「戦後」という誤った認識
明治維新、日清戦争、日露戦争と実に日本は危ない綱渡りをうまく乗り切り、大国の仲間入りをするのですが、大正期に「平和ボケ」してしまい、第二次世界大戦で苦汁をなめることになりました。
現在の日本は「戦後」という意識にどっぷりつかっていますが、他の国では「戦中」以外は「戦前」であるという認識が普通です。「戦後」なんてない。
他の国では次の戦争が必ず起こると思うのが常識なのです。
日本ではお花畑脳の人が多くて戦争はもう起こらないと信じている(言霊信仰のため)のが悲しいです。それは大正期と同じ穴に落ちているのです。
平和を長く味わうためには戦争を抑止する努力が必要なのです。世の中にはヴィルヘルム2世のようなどうしようもない悪党がいるのですから。
関連記事
###
関連記事
-
-
インド人大富豪の教訓―大金をつかむ45のヒント / 高垣 尚平
インド人大富豪の教訓―大金をつかむ45のヒント 高垣 尚平 泉書房 2007
-
-
超ブルーノート入門―ジャズの究極・1500番台のすすめ / 中山 康樹
超ブルーノート入門―ジャズの究極・1500番台のすすめ (集英社新書) 中山
-
-
やりなおしの世界史 / 謝 世輝
やりなおしの世界史 謝 世輝 オーエス出版 2000-10 売り上げランキング
-
-
秘密の日本史 / 樋口 清之
秘密の日本史―梅干先生が描いた日本人の素顔 (ノン・ポシェット) 樋口 清之
-
-
仁義なき世界経済の不都合な真実 / 三橋貴明, 渡邉哲也
〈ぶっちゃけ話だからよくわかる! 〉仁義なき世界経済の不都合な真実 三橋貴明 渡邉
-
-
里海資本論 日本社会は「共生の原理」で動く (角川新書) / 井上恭介 NHK「里海」取材班
里海資本論 日本社会は「共生の原理」で動く (角川新書) 井上 恭介 NHK「里
-
-
知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語 / 橘 玲 (5)
★★★☆☆ 昨日の記事「知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語 / 橘 玲 (4)」
-
-
チャンスを見つける19の法則 / エベン・ペーガン
★★☆☆☆ 本屋では売っていないダイレクト出版の本。 毎日1冊直接送られて来ます
-
-
なぜあの人は感情の整理がうまいのか / 中谷彰宏
なぜあの人は感情の整理がうまいのか 中谷 彰宏 中経出版 2012-11-17
-
-
繁栄の絶対法則 / 三橋貴明
繁栄の絶対法則 三橋 貴明 PHP研究所 2015-03-06 売り上げランキ







