地方の中核病院の画像診断における医療崩壊
以前の記事(⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合)では、
- 地方の中核病院では非常勤医のマンパワーに頼っているところが多いが、非常勤医は都市部にシフトする傾向が出てくると、非常勤医は減る傾向が顕著となる
- 結果、常勤医の過労を招く
- そのため、常勤医は減少していくであろう
という予測をいたしました。
*
その場合、地方の常勤医は病院をやめて、
- 大学病院に帰る(大学からお許しがでた場合)
- 都市部の非常勤医になっていく(大学からお許しが出なかった場合は医局を脱退 もしくはもともと医局に属していない場合)
と思われます。
*
辞められた病院のほうはどうするか。新規の常勤医や非常勤医はもはや望めません。
これはそれまでの放射線科常勤医(+遠隔画像診断)の貢献度によって変わってくるでしょう。
- 貢献度が小であった場合は、診断医は不要と結論づけて、診断医不在のままの診療を続ける
- 貢献度が大であった場合は遠隔画像診断に切り替える
画像診断管理加算の取得のためでなく、本来の医療に必要かという視点で考えるようになるわけです。
こうして結局、遠隔地は遠隔画像診断がカバーするか、良質の画像診断はいっさい行われない というごく当たり前の状況になっていくのでしょう。
いつの日か、「画像診断管理加算2が地方から常勤医を駆逐した」と思い出話をする時代がくるかもしれません。
###
関連記事
-
遠隔画像診断で画像診断管理加算はとれません というか とってはダメです
遠隔画像診断で画像診断管理加算はとれません 今、我々の業界で話題になっているのがこれ。 今度
-
エヒノコッカス(エキノコックス)という名前
エキノコックスという寄生虫がいます。 非常におもしろい寄生虫で、親は条虫でサナダムシの仲間(エ
-
師匠がいないと支障がある
* 以前の記事「優れたプロスポーツ選手は兄か姉がいる 」でも書きましたが、人間ってのは目標がな
-
イーサイトの遠隔画像診断端末からATOK単語登録
なんのこっちゃわからん人は無視してね。 * イーサイトの遠隔画像診断端末をお使いの方で、パソ
-
とほほな画像診断システム
* これは前に書いたが、Yデンキ(ヤマダではありません)のシステムは ・最初のコマと最後のコ
-
放射線科読影医の報酬
放射線科の仕事量は数十倍のオーダーで増えています 私が卒業した四半世紀前は MRI はまだ世になく