*

地方の中核病院の画像診断における医療崩壊

公開日: : 医療, 画像診断

以前の記事(⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合)では、

  1. 地方の中核病院では非常勤医のマンパワーに頼っているところが多いが、非常勤医は都市部にシフトする傾向が出てくると、非常勤医は減る傾向が顕著となる
  2. 結果、常勤医の過労を招く
  3. そのため、常勤医は減少していくであろう

という予測をいたしました。

その場合、地方の常勤医は病院をやめて、

  1. 大学病院に帰る(大学からお許しがでた場合)
  2. 都市部の非常勤医になっていく(大学からお許しが出なかった場合は医局を脱退 もしくはもともと医局に属していない場合)

と思われます。

辞められた病院のほうはどうするか。新規の常勤医や非常勤医はもはや望めません。

これはそれまでの放射線科常勤医(+遠隔画像診断)の貢献度によって変わってくるでしょう。

  1. 貢献度が小であった場合は、診断医は不要と結論づけて、診断医不在のままの診療を続ける
  2. 貢献度が大であった場合は遠隔画像診断に切り替える

画像診断管理加算の取得のためでなく、本来の医療に必要かという視点で考えるようになるわけです。

こうして結局、遠隔地は遠隔画像診断がカバーするか、良質の画像診断はいっさい行われない というごく当たり前の状況になっていくのでしょう。

いつの日か、「画像診断管理加算2が地方から常勤医を駆逐した」と思い出話をする時代がくるかもしれません。

###

関連記事

遠隔画像診断ニュース(teleradiology.jpn.com)更新

私のやっている関連サイトの 「遠隔画像診断ニュース( teleradiology.jpn.com ‎

記事を読む

気管内に喀痰?

ときどき所見用紙や雑誌に「気管内に喀痰」と書かれていることがあり、違和感をおぼえます。 「喀痰

記事を読む

baserCMS でつくったホームページ

* 私が baserCMS という無料のコンテンツ管理システムを使って最近作ったホームペー

記事を読む

くも膜下腔と硬膜下腔

  所見をつけたら質問が来ました。 上のような症例で「硬膜下腔に液貯留あり」と書いたら、「脳

記事を読む

藪医者って

藪医者という言葉の語源には諸説ありますが、兵庫県の養父(やぶ)に名医がいて、インチキ医者が「養父

記事を読む

遠隔画像診断の起業:盲点あれこれ

よく若い医師から遠隔画像診断の起業について訊かれます。 会社にするか個人事業主でいくか 会社

記事を読む

PET/CT検査の保険適応について

 平成22年4月より、PET/CT(ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影)の適用疾患が変

記事を読む

胸部単純X線写真での異常影

いつの写真か全く覚えていませんが、かなり年配の女性。 「検診の胸部単純X線写真で異常を指摘された」

記事を読む

no image

アイディアは記憶から生まれる

* 新しいアイディアというものは すでにあるもの どうしの組み合わせから生まれます。 このすでに

記事を読む

CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema)って

* CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysem

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

アメリカ株のゆくえ

トランプがいろいろやらかしており、いい点(対チャイナ)もあるのですが、

厚生年金について

今回は厚生年金の話。 moneiro のページにわかりやすい表が

【FX】Hippo Trader という EA(7)

以前の記事「【FX】Hippo Trader という EA(6)」の続

楽天スーパーセールでコンタクトレンズを買う

左手の母指に生じたバネ指はいっこうに治りません。 ま、毎日仕事で

自分で年金

https://www.youtube.com/watch?v=I2w

→もっと見る

  • 2025年6月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30  
  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑