癌検診について
公開日:
:
医療
癌検診(ガン検診)についていろいろな人がいろんな立場や観点から述べておられますよね。
結核検診
日本の場合、歴史的に言えば結核検診に始まります。
結核が国民病だった時代に単純胸部写真(レ線、X線)で結核検診を始めて、これが奏功し、現在は結核患者が激減(ゼロにはなかなかならない)しました。
結核検診から肺ガン検診に
すると検診事業者や医師は次のターゲットとして肺癌にも適応しようと肺癌検診を始めました。
肺癌は結核と違い他人にうつりません。結核患者を早く見つけることはその人の属する地域集団(多くは家族)の利益にもなったのですが、肺癌では本人の健康に対する効果しかありません(禁煙させて家族の受動喫煙は多少減らせますが)。
ですから、肺癌に対する検診の効果はある意味限定的です。
しかも、レ線(X線)では初期の肺腺癌をとらえることは非常に難しく、手遅れな段階になってからしか見つからないなどの不具合がわかってきました。
そこで CTによる検診が始まりましたが、高価でレ線に比べ被曝線量が非常に多いので発癌リスクを考えると効果がさらに得にくくなったわけです。
早期腺癌あるいはそれに似たガンモドキはよく見つかるようになったわけですが。
ということで肺癌検診については最近 CT によるものが主流ですが、その効果の評価としては人によって意見が分かれます。
安全で効果的な検診
現在誰が見ても有効と言えるのは、乳ガンの自己検診(自分での触診)と前立腺癌のPSA検査(血液検査の一種)くらいじゃないでしょうか。
被曝のない方法・・・尿と寄生虫、尿と犬を使う方法なども開発されており、まだまだ楽しめそうです。
検診の大きな成果
いろいろ言われているガン検診ですが、いいことはありました。
それはガンの生活史(特に初期像)についてのデータが多数得られたことです。
これが後のガン治療を大きく進歩させたと言えるでしょう。
それまでは手遅れの段階でしか見つからなかったガンが初期の段階で見つかるようになり、それをどう治療していったら(あるいは何もせず様子を見てもいいのかを含む)一番いいのかがわかるようになったのですから。
実験台になった多くの皆さんにはちょっとお気の毒ですが。
###
関連記事
-
-
「努力は報いを受ける」ことも
昨日の記事” 「努力は必ず報われる」は間違い ”で書き忘れたのですが、努力の方向自体が間違ってい
-
-
個人ベースの遠隔画像診断[3] / 番外編
遠隔画像診断会社に属さなくても、個人レベルで遠隔画像診断を行うことは可能です、ということを言いた
-
-
胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) の答え
前回の記事( 胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) )の胸部レントゲン写真ですが、
-
-
新型コロナウィルスにおける医療崩壊(2)
以前の記事「新型コロナウィルスにおける医療崩壊」において書ききれなかった分を書いておこうかと思います
-
-
東北地方に医学部を新設?
* 新臨床研修医制度(医師臨床研修制度)を作って、日本の地方医療を荒廃させた厚生労働省の不始末
-
-
トンカツが食べられなくなると困るのでイスラム教やめる?
ネットでの書き込みで、ほんとうなのかギャグなのかわかりませんが、日本に来たイスラム教徒(アラブ人
-
-
遠隔画像診断 / サーバーの管理
* 遠隔画像診断サービスを自分で行う場合ですが、 サーバーの管理が大変そう というご質
-
-
遠隔画像診断料(保険における診療報酬)
質問が多いので解説しておきます(画像診断管理加算とは違うのですが、少し関連しているので混同しやす
- PREV
- ZIPANGU / 姫神
- NEXT
- Inner Landscapes / Chandresh






