整腸剤 ビオスリー
公開日:
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最終更新日:2022/09/28
医療
★★★★☆(すごいかも)
子供の頃に過敏性大腸炎と医師に言われた私は、大人になってからもしょっちゅう下痢や便秘に見舞われます。
内科医をやっていたときは外来に来られたおばちゃんが「せんせ、わたし一昨日生まれて初めて下痢しました 昨日からはなくなったんですが、こわいので一度調べてください」とノタマワレたので、「私なんか毎週数回下痢しますよ まあとりあえず調べましょうか」と言って驚かれたことがあります。
今でも「三寒四温」ならぬ「三緩四オーン」、つまり 3日下痢が続いて 4日はオンオンうなりながら硬い便を絞り出すってこともあります。
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ビオフェ●ミンやらエビ●ス(ビール酵母ですが残念ながらエビスビールではありません)も飲みましたが、今ひとつ効果がありません。
ピルクルという生菌飲料は 65mlでは効果がないのですが、250ml飲めばすごい下痢をします。有効域が狭く調整が難しいです。
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この前、宮入菌というのを知りました。
クロストリジウム属と聞いて、「おい大丈夫か」と思いました。
クロストリジウム・ディフィシルは偽膜性大腸炎、クロストリジウム・ボツリヌムやクロストリジウム・パーフリンゲンス(ウェルシュ)は食中毒、クロストリジウム・テタニは破傷風という恐ろしい病気の原因菌だからです。
しかし、宮入菌はクロストリジウム・ブチリカムの一種で、大腸内で酪酸を産生して酸に弱い悪玉菌を殺す、大腸の粘液産生を促すなどの効果があるようです。
クロストリジウム属なので芽胞を形成しており胃酸で消化されません。そのへんの整腸剤に入っているヤワな菌群とは一味違いそうです。
ビオスリーという薬剤には 3種類の菌が含まれ、そのうちの 1つが宮入菌です。
小さい錠剤なので飲みやすいですね。
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ということで一昨日から服用していますが、4日間続いていた下痢が止まりました。
排便のときに感じたのは、便が粘液に包まれているのかスムースに排出され、とても楽であること。
たこ焼きで「外はカリカリ 中はジューシー」という表現がありますが、その逆の「中はコロコロ 外はジューシー」という感じでしょうか。
とにかく今まで出したことのない不思議なベンです。
「おい、ベン。お前はほんとうにあのベンなのか?」
それにうれしいことに粘液コーティングのせいか肛門に便がほとんど残りません。
お尻をふいてもわずかな粘液が拭き取れるだけのことが多く、トイレットペーパーの使用量が激減しました。
まあ、まだ服用してから2日しか経っていませんので、このまま観察を続けます。
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