「瑞穂の国」の資本主義 / 渡邉哲也
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読書
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★★★★☆
渡邉哲也さんの明解な日本経済への提言。
現状分析が特にわかりやすい。
世界経済の現状分析
金融主導のグローバル金融資本主義は崩壊し、実体経済を重視するまっとうな経済に戻りました。
またウクライナ問題の発生により、世界は冷戦構造に逆戻り。ロシアは共産主義に失敗し、民主主義にも失敗し、プーチンを皇帝とする帝政時代に回帰しています。
中国は「中国共産党独裁自由主義経済」の国であり、けっして共産主義国ではないし、個人主義の社会。
ということで、「人権を無視した独裁型国家」対「民主主義国家、資本主義国家」という枠組みの冷戦が現在の構図です。
『瑞穂の国』の資本主義
「『瑞穂の国』の資本主義」とは 日本型資本主義のことですが、これをあらためて見直すことが重要と。
日本の弱点は輸入関税の低さといい、日本でしか作れないものの輸出関税を引き上げることで国際経済で有利な位置を占めながら収益を増加させることが可能というのは目からウロコが落ちました。
電力はコストより安定供給が大事(精密工場での生産ラインの瞬断により大きな生産低下が生じる)という指摘はそのとおりです。
原発事故の際に民主党政権は原子力賠償法という法律に背いて東電に賠償を含む全責任を押し付けましたが、このような政府の裏切り行為を行うと、それ以後民間は大きなリスク投資を行えなくなります。法律を守らない政府は世界からも相手にされないようになるということは明記されるべきでしょう。
朝日新聞の凋落
朝日新聞の購買数はついに世論形成に必要な最低ラインを割ったようです。
このまま消えてほしいですが、主な購買層の団塊の世代がこれから減っていくのでほぼ自然に消滅するでしょう。
アメリカは腐ってもタイ
アメリカのデータではGDPに占める農業生産の割合はたった1%なんです。
でも、世界で一番農作物を輸出しています。
片手間にやっているようなものでも世界一ってすごいですね。
だからアメリカには逆らわないほうが得策ということかもしれませんよ。
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