*

新型コロナウィルス感染症の治療

公開日: : 最終更新日:2020/04/20 医療

新型コロナウィルス(covid-19)の感染メカニズムは

  1. ウィルスが気道粘膜に付着
  2. そこの細胞に侵入
  3. 細胞内でウィルスを増幅
  4. 細胞を破壊してウィルス粒子を排出
  5. 血中に侵入したウィルスが周囲あるいは他の臓器の細胞に付着
  6. 2 に戻る

 

と考えられます。

下気道まで広がると肺炎に、気道以外の臓器に感染が広がると多臓器不全に陥る可能性があります。

ということで、新コロの治療にはそれらの段階ごとに使われる薬が違います。

  • 細胞侵入を防ぐ:フサン 、ワクチン(開発中)
  • 細胞内でのウィルス増幅を阻害する:アビガン、レムデシビル、カレトラ、 アカラブルチニブ
  • 作用機序不明:ヒドロキシクロロキン(アジスロマイシンとの併用)、イベルメクチン

また、体内にウィルスが侵入したことを感知した免疫系が暴走するとサイトカインストームを引き起こします。高齢者、持病持ちの患者はもちろん、若年者や持病を持っていない人の死因にも大きく関与している重大な現象です。

免疫反応はカスケード反応と呼ばれるように段階的に指数関数的に増幅されるので、サイトカインストームもその初期段階を阻害するほうが効果が大きいです。ただし、100%の防御はできないのでその後の段階にも手を打つ必要が出てきます。

サイトカインストームは T細胞やマクロファージが放出するインターロイキン-6(IL-6)により引き起こされるので、

  • T細胞やマクロファージの膜を安定化させて IL-6 の放出を防ぐ:ステロイド系(オルベスコなど)
  • 血中に放出された IL-6を選択的に阻害する:アクテムラなどの抗IL-6抗体

などが考えられ、現在各国で治験中のようですね。

ということで、ウィルスの侵入と増殖を抑えるという観点と、サイトカインストームを防ぐという観点の両方が必要で、これらを区別して考えるべきです。

前者は感染初期から対処すべきで、後者は肺炎など重篤な合併症が生じかけている段階から重要になってくるというわけですね。

これらの薬剤を組み合わせて使用すれば、結構効果が望めるのかもしれません。

###

 

 

 

 

関連記事

イタリア全土で封鎖へ

新型コロナウィルスの感染者が世界2位になってしまったイタリアが本日から全土で封鎖状態になっています。

記事を読む

胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます) の答え

前回の記事( 胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます)  )の胸部レントゲン写真ですが、

記事を読む

薬が効かない

  よく医師の処方した薬が効かないと心配される方がいます。   たとえ

記事を読む

外耳道の長さ

手元の CT 写真で測ると、外耳道の長さは約 3cm。 * 耳介は外耳道の遠位部につく集

記事を読む

放射能に侵されるは間違い

「放射能に侵される」と新聞などに書いてあるのを見かけますけど、放射線科医である私にはおかしく感じます

記事を読む

原始舌下動脈遺残のMRA

  * この10年間で3例目ですが、原始舌下動脈遺残です。 原始三叉動脈遺残はしょっち

記事を読む

大病院の医者が横柄なわけ

あるところで「大病院の医者が横柄なわけ」を訊かれました。 まあ、医者が全部横柄とは限りません。

記事を読む

画像管理加算2の功罪について

画像管理加算は画像診断医の給料? 画像管理加算1は常勤の画像診断医を雇ったご褒美のようなもので

記事を読む

遠隔画像診断 理想の顧客

私のところの遠隔画像診断では中小病院を主なターゲットにしています。 一人医長など常勤放射線科医

記事を読む

個人ベースの遠隔画像診断[2] / 専用システムを使う場合

「個人ベースの遠隔画像診断」という記事で、 お金のかからない遠隔画像診断法をご紹介しました。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

なぜ人気なのか、フェルメール

フェルメールの生涯と特徴 ヨハネス・フェルメール(1632年 - 1

次世代通信関連 世界株式戦略ファンド(予想分配金提示型) の7月分配金決定

次世代通信関連 世界株式戦略ファンド(予想分配金提示型) 、愛称「Th

PRESIDENT 年収が10倍になるAI仕事術

★★★☆☆ プレジデントの 2026年5/29号 です。 AI

【FX】2026年7月2日のやばかった瞬間

2026年7月2日はじつは やばかった瞬間がありましたという話。

Claude Fable 5 が無料使用期間中

アンソロピックが 6月に発表したものの、米政府の輸出規制により日本では

→もっと見る

  • 2026年7月
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑