人間ドックの胃透視 担当医師の心構え
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大昔、O2市民病院というところで働いていました。
週に1日(正確には半日)、患者以外に人間ドック受診者の胃透視の撮影を担当していました。
人間ドックは一度に 3-4人くらいだったでしょうか。
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いつもまとまって来られるので、着替えてもらって 集まったところで、最初にどういう検査か説明し、
こちらの言うとおりに動いてください。
ゆっくりで結構です。
ゆっくりだと困るときはそのたび言います。
いきなり逆に動かれると最も困ります。最悪の場合は日を改めて撮り直しになります。
ということで、緊張なしでお願いします。
と笑顔で説明しておきますと、なごやかにスムースにできました。
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ある日、病院の会議で事務長がドック受診者からの投書を披露しました。
こちらの病院を一泊ドックで受診したものの、病棟での扱いはひどい。
看護師はあからさまに 「あんたたち健康人のめんどうまでゆっくり看ていられない」という態度だった
とウラミを述べておられ、一同シュン。
ところがその投書の最後に
ところが最後の胃透視ではイワサキ先生がニコニコしながら検査を行ってくれてそれまでのウップンが晴れました
と書いてくれており、うれしいやら恥ずかしいやら・・・
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患者は病院を100%選んで来ているわけではありません(救急車でかつぎこまれたりします)が、人間ドックの受診者は100% ご自分で選んで来られているわけです。
その期待を裏切ったりしてはもったいないですね。
保険診療の病院はCMで顧客をかき集めることは普通できません。CMもしないのに向こうからわざわざ選んでくれたお客様を粗末に扱ってはバチがあたります。
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