狼奉行 / 高橋 義夫
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読書
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狼奉行 (文春文庫)
高橋 義夫 文藝春秋 1995-06 売り上げランキング : 647727 by G-Tools |
★★★☆☆
「狼奉行」は高橋義夫さんの出世作で、1991年第103回直木賞の受賞作です。
この文庫は表題作の「狼奉行」、「厦門心中」、「小姓町の噂」の3作品が収められています。
狼奉行
江戸時代の東北の小藩での醜い権力争いをテーマとした作品で、前の実権派閥に属していた主人公がへき地の山代官にとばされるところから始まります。
マタギ衆や地元出身の下級武士、実家に残してきた幼い妻との関係を描きながら、主人公の成長を描いています。
狼が伝播する狂犬病の襲来を期に主人公のこれからを決定づける事件が起き、ラストのあっけない幕切れ・・・
長編化していただきたいところであるが、舞台が小さすぎるのでちょっと無理かもしれませんね。
厦門心中
日清戦争前の厦門にいる商人の妾と日本人学生とが起こした心中事件を当時の情勢をからめて書いた短編。
これもラストがちょっと意外でした。
小姓町の噂
第一次大戦時の山形が舞台。
当時そこで捕らわれていたロシア人捕虜の起こすちょっとした事件を日本人通訳の目を通して書いた小品。
これもラストがあっけなく、それでいて心に残る、ちょうどいい塩梅です。
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