スピーカーの箱(ブラックスワンの場合)
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最終更新日:2019/04/01
オーディオ
スピーカーの音の大部分はユニットで決まるわけですが、箱も多少効いてきます。特に低音部分に効いてくるのです。
例えば・・・
昔使っていた Fostex の FE107 という非力なユニットがありまして、10cm フルレンジユニット(防磁型)なのですが、低音がさっぱり出ません。
下の図の出典は>https://audio-heritage.jp/FOSTEX/unit/fe107.html
200Hz くらいからダラ下がりとなっています。これはメーカーが無限大(実際は有限)バッフルにつけて測定したものですので、平面バッフル、後面開放などのエンクロージャー(平面バッフルはエンクロージャー・・・囲うモノとは呼べない気もしますが)ではこれより低音特性は悪化します。
密閉箱でも低音増強効果はわずかですので、普通はこれにバスレフやダブルバスレフで低音をピンポイントにプラスするわけですが、それでも不十分。
そこで、共鳴管、音響迷路(トランスミッションライン含む)、バックロードホーンなどの方式が考慮されます。
上は FE107 をバックロードホーンに入れた周波数特性。
わかりにくいので書き加えると、黄色がユニットの裸特性、赤がバックロードホーンによって増強された部分。
全く別物の音になりますネ。
ちなみにこのスピーカーはこんな形をしています。
ジャジャーン。故 長岡鉄男先生の D-107AV(愛称:ブラックスワン)ですね。案外作っている人は少ないようです。
あ、この記事の絵は『長岡鉄男のオリジナル・スピーカー設計術②』の 92ページより拝借しています。
え、箱が巨大すぎる?
ですからもっと低音の出るユニットを使いましょう(そのほうが箱は小さくできる)というのが実用的な解ですね。
と言ってしまえば身も蓋もないなあ。
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