放射線科読影医の報酬
放射線科の仕事量は数十倍のオーダーで増えています
私が卒業した四半世紀前は MRI はまだ世になくて、CT は世界最高性能の機種といえども腹部造影CTをとるのに50分も時間がかかっていました。 スライス厚は1cmでした。
現在は安いCT でも 15分もかからず、3mmや5mmスライス厚で何相も撮るものですから、スライス数が数百枚になってしまいます。
頭部の単純CTなんて 5分で終わってしまいます。以前は 20分以上ね。
検査数で 3-5倍。検査あたりのスライス数で 3-10倍。
ざっと考えて読影しなくてはいけない 総スライス数から見た仕事量は 10-50倍くらい増えているわけです。
おまけに MRI の分が上乗せ。
他科も増えているけどせいぜい数倍
外科や内科の先生方が、いくら仕事が増えているとしても、外来患者が2倍以上になることは少ないし、手術数が2倍になることもそんなにない(あるとすれば以前の仕事量が限界に達していなかった?)。
仕事が10倍というオーダーで増えているのですから、人員を10倍に増やすか(アメリカではそうなっています)、給料を10倍にするかしてくれと言いたいところですが、以前私のいた市立病院では人員は2人のままで給料も他の科の医師と同じ。
せめて所見1枚あたりの給料制にしてくれと言ったが、それも却下。
ということで、所見1枚いくらで働く今の境遇に移ったわけです。
以前と仕事量はそんなに変わらない(出勤日は半減)が、年収は数倍。
*
この歪(仕事量の増大が収入につながらない)は今も進行中・・・
###
関連記事
-
-
CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema)って
* CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysem
-
-
画像診断管理加算バブルの崩壊の影響
画像診断管理加算の施設基準の厳格化 今回の改訂で他の施設に読影を依頼している施設は、画像診断管
-
-
遠隔画像診断のビジネスモデル(3)
ビジネスモデルらしくないので、さらに模式図を補完していきます。 * 上段が従来のファイル
-
-
久々の非クラウド遠隔画像診断システム
高槻遠隔画像診断センターで新しい仕事が始まりました。 今てんやわんやです。 非クラウドシステム
-
-
TeamViewer 遠隔画像診断への活用法
遠隔操作のメリット 「TeamViewer 無料の遠隔操作ソフト 」という記事を書きましたが、
-
-
「画像診断雑記」サイト更新 / 以前からの頚部痛
「画像診断雑記」サイトを久々に更新しました。 ⇒ 「画像診断雑記」 以前からの頚部痛 こ
-
-
とあるファイル転送型遠隔画像診断システムの欠点
* だいたい仕事が終わったのに帰れません。 高槻遠隔画像診断センターにしかない遠隔画像診断シ
-
-
孤虫の意味を知っているかい
私は蟲師ではないが、寄生虫の話は大好き。 でも寄生虫そのものが好きではないので、ご安心を。 *
- PREV
- G Force / Kenny G
- NEXT
- お金持ちのお金はなぜなくならないの? / 宮本 弘之