*

AI と画像診断

公開日: : 最終更新日:2021/06/01 画像診断

人工知能(AI)は画像認識が得意なので、レントゲンやCT/MRI の読影の仕事はなくなるのではないか」と言われて久しいです。

そしてディープラーニングにより AI 自体が医師の指導(ティーチング)なしに自分で勝手に特徴表現を学習していくことができるようになってさらに現実性が大きくなった、と言われるようになりました。

でも学習の過程や推論の過程を言語化できないので人間に完全に置き換わるのは難しいのではないかとも言われるようになりました。

しかし、この問題を対処しようという試みもあり、また人間サマには不利になってくるわけです。

でも彼らの学習のプロセスを言語で説明されても専門家以外の人間が理解できるものでしょうか。

たとえばある AI が「人類滅亡の確率は 75.56%」とか言ってその根拠を説明したとして何の知識もない人がその含まれた意味(前提条件など)を理解できるとは思えないですね。

実際のプロセス(たとえば、第45層で畳み込んだものを第44層に戻したが、第43層から降りてきたB因子により打ち消されて・・・云々)を人間の言葉(Aという所見は B,C,X などの疾患で見られるが、他の身体状況を考えるとどれも考えにくい・・・云々)などにうまく変換して表現できるのでしょうか。

それに、AI には体がないので、体を持つ人間を対象にする医学というものは本来不得手なはずです。

患者の動き、苦痛、臓器の位置関係から来る不都合などは知識として取り込んである程度「理解」できるかもしれませんが、「体感」や「体得」はできないわけです。

AI に体を与えようと考える人もいますが、体を与えると「生存本能」という厄介なものが生まれるかもしれませんしねえ。

これが生まれると人類の敵になるかもしれませんので、AI に体感させることはいろんな意味でかなり難しいのではないかと思います。

ということで、しばらくは画像診断医の仕事はなくならないと思います。あと10年くらい?

その後は AI と一般医との間の通訳とか、AI の出した結果を論評する評論家とかいう、ちょっと変わった仕事内容になるのじゃないかなぁ。

画像診断AI をうまく使いこなす立場になるといいのです。

###

関連記事

遠隔画像診断の起業 / 営業について(3)

遠隔画像診断の営業について、あまり語りたくありませんが、いくつかヒントを。 FAX DM の活

記事を読む

画像診断メモノート更新しました 2014/11/12

2ヶ月ぶりに画像診断メモノート更新しました。 > 画像診断メモノート とりあえず、お知らせま

記事を読む

画像診断を考える・新版 今春発売

* 名著『画像診断を考える』ですが、編者の下野太郎先生 からうれしい連絡をいただきました。

記事を読む

i-Stroke

i-Stroke  フジフィルムが i-Stroke という急性期脳血管障害の患者の画像を診断

記事を読む

no image

いい遠隔どっと混む

* 「遠隔画像診断で失敗しない起業」をご提案ということで作った e-enkaku.com です

記事を読む

依頼原稿の締め切り

* この前依頼されていた原稿の締め切りが迫ってきました。 仮題は「遠隔画像診断サービス 成功

記事を読む

no image

関西電力 計画停電

* 自宅にも来ていたが、高槻遠隔画像診断センターにも通知が来ていました。 調べるとエリア 5-

記事を読む

遠隔画像診断ニュース更新

遠隔画像診断ニュースを更新しました。 ドクターネットさんの記事は読みましたが、大きな組織では大

記事を読む

青池嚢胞 Aoike’s cyst 再び (2)

また青池嚢胞を見かけました。 18歳男性。 主訴とは関係ないです。 腓骨遠位の前面の皮質

記事を読む

久々に見た精嚢結石

本日、いつものように仕事をしていると、あら懐かし、精嚢結石くんじゃありませんか。 最近見か

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

整備済み品東芝製ハードディスク届きました

整備済み品東芝製ハードディスク届きましたが、プチプチ封筒に素(す)で

HFM 口座開設成功

HFM (旧 HotForex)という業者に口座を開くことに成功しまし

みんなで大破さん

「みんなで大家さん」というあやしいスキームが問題になっています。 不

整備済み品東芝製 500GB ハードディスク(2.5インチ 内蔵型)

東芝 の HDD MQ01ABF050 です。2.5インチの 50

【FX】AXI Select は一番実入りのいい副業かも

AXI Select とは AXI という海外FX業者がみずから行って

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑