日本の臓器移植の登録者数を増やすすごく簡単な方法
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最終更新日:2017/10/11
医療
日本の臓器移植数はとても少ない
『「読まなくてもいい本」の読書案内 ――知の最前線を5日間で探検する』(橘玲著;筑摩書房)という本によると、 日本の骨髄バンク登録者は 1%未満。
オーストリア、ハンガリー、フランスは 99.9%というすごい状況。
ドイツでは 12%、アメリカは 28%となっています。
日本の惨状はひどいものですが、あのアメリカでさえ 28%とさほど高くないのが不思議。
オーストリアと民族が同じ国のドイツでは 1/8程度となぜか低いですね。
実際の臓器提供率については
となっているようです。
なぜこんなに違う?
日本の特殊な宗教観がよく引き合いに出されていますが、オーストリアとドイツの場合を考えてみると、民族も宗教も同じで 隣同士なため風土もそっくりな2つの国でこんなに違うのは奇異です。
なにかほかにもっと大きな原因があるのではないかと考えるのが普通ですよね。
要は、制度上オプティングインになっているから日本の臓器提供率が低いということです。
- オプティングアウトというのは、手続きをしないと臓器提供を許可すること
- オプティングインは逆に、手続きをしないと臓器提供を許可しないということ
つまり、デフォルトが違うということです。
オプティングアウトの場合は、あらかじめ手続きをして臓器提供しないという意志を表明するのには「そんなことをすれば利己主義として非難されないか」という心理抵抗が働きますから、大部分の人はデフォルトは臓器提供容認のままにしておくでしょう。もちろん死後に遺族の同意がなければ移植はされませんが、故人の意志を尊重する遺族もいるでしょうから、オプティングインよりは改善されることは確実。
ということで、日本もオプティングインをオプティングアウトに変えるだけで提供率はグンと上昇・・・法律をちょこっと変えるだけで現状をがらっと変えられるはずです。
変えないでいい理由はほとんどないはずですけど・・・
日本では土葬でなく火葬が普通ですから、どうせ燃やしてしまう臓器であれば有効に役立てたいものです。火葬場の燃料節約にもなりますしね。
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「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する / 橘玲
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