椎体辷りについてのまとめ
公開日:
:
最終更新日:2017/07/09
画像診断
椎体辷り症についてのメモ
- 辷りの方向は、下の椎体に対して上の椎体が前後どちらかに辷るかを示します
- 辷り症には 前方辷り と 後方辷り があります
- 前方辷りには 変性辷り と 分離辷り とがあります
- 後方辷りには 変性も分離もない(本質は亜脱臼)
後方辷り症
下手な絵ですみません。椎間関節部を通る矢状断です。
これ(↓)が正常とすれば、
後方辷りはこう(↓)。
椎体の後方辷りとは椎間関節の亜脱臼であることがわかりますね。
前方辷り症
前方辷りには、変性辷り と 分離辷り とがあります。
どちらも椎体を前方へ偏位させようという外力によります。
違うのはどこが力に耐えかねるか。
変性辷り
変性辷りは椎間関節そのものが力に耐えかねて・・・
椎間関節が変性して変形しちゃいます。関節面はだんだん前方に倒れ、関節前後径も増大します。要するに関節が肥大します。
問題は椎間孔が狭小化してしまうことです(アスタリスク部)。この絵では控えめに描かれていますが、前面が椎体後面に着くまで大きくなることも。
分離辷り
分離辷りでは、椎間関節の少し上の椎間関節間部が力に耐えかねて・・・
あらら、疲労骨折。
椎間孔はむしろ広くなる傾向にあります(他の要因で狭くなるケースもあります)。
骨折(分離)の起きる前の方が痛みが強かったりしますね。
まとめ
- 辷り症には、前方辷り と 後方辷り があります
- 前方辷りには、変性辷り と 分離辷り とがあります
- 後方辷りは変性でも分離でもなく、椎間関節の亜脱臼
- 椎間孔や脊柱管の狭小化に最も関係の深いのは変性辷り症
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