隠れ脳梗塞
*
「隠れ脳梗塞」という言葉がひとり歩きしているようです。
「隠れ脳梗塞」=「無症状の微小脳梗塞」という意味に使っているのはいいと思います。
あくまで梗塞(虚血性壊死)が存在すればの話ですが。
*
ところが、ドックの医師(特に内科医に多い)では梗塞のはっきりしない慢性虚血性変化まで「隠れ脳梗塞」と言っているようです。
そんなことを言い出すと、高齢者のほとんど病的意義のない白質変化まで全部「梗塞」とされてしまいます。
現に田辺製薬のサイトでは
40代では3人に1人、50代では2人に1人、60代では8割以上に「隠れ脳梗塞」が発見されます。
と書いています。
そんなに「梗塞」はないよ。
*
ドック(と薬)で儲けるためにそう言っているのか、どの部分が梗塞でどの部分はそうでないのかわからないのでそう言っているのか、わかりませんが、どちらにしても大問題です。
梗塞という言葉はあくまで壊死巣が見えるときのみに使っていただきたい、と思います。
「なんちゃって脳梗塞」くらいなら許容範囲かも?
###
関連記事
-
画像診断2017年7月号 側頭骨領域の画像診断
画像診断2017年7月号 Vol.37 No.8 画像診断実行編集委員会 学研プ
-
遠隔画像診断での起業じつは簡単(2)
前回の記事「遠隔画像診断での起業じつは簡単」で、「起業はとっても簡単」と書きましたが、どれくらい簡単
-
資金の要らない、失敗しない遠隔画像診断起業のノウハウ(別刷り請求について)
* * * 月刊 Innervision 11月号に掲載の拙文の 「資金の要らない、失敗し
-
ふざけた画像診断システム
職業がらいろんな遠隔画像診断装置を扱っていますが、ある装置では 患者リストから患者を選択
-
とあるファイル転送型遠隔画像診断システムの欠点
* だいたい仕事が終わったのに帰れません。 高槻遠隔画像診断センターにしかない遠隔画像診断シ
-
依頼原稿の締め切り (3)
* 依頼原稿「遠隔画像診断サービス 成功の秘訣」ですが、先ほど提出しました。 結局4360字
-
非クラウド型遠隔画像診断システムの落とし穴
* 何度も書いているので、耳タコでしょうが、それでも非クラウド型で起業してしまう人が結構おられ
-
放射線科常勤医を雇うには
放射線科診断医の雇い方 上記について、久々に遠隔画像診断ブログを更新しました。 http: