日別アーカイブ: 2013年10月19日

画像診断報告書のコピペについて(続)

前回はこちら>画像診断報告書のコピペ

他人の書いた過去所見のコピペが非常識な行為なのか

前回は「過去所見のコピペが非常識な行為なのか」という問題についての意見を述べました。

主旨は「尊重の気持ちを持ってコピペすることは非常識とは思わない」ということでした。

画像を見た ⇒ 過去の画像を見た ⇒ 過去の所見を読んだ ⇒ 全くそのとおりでございます。完璧です。さすがです。 ⇒ 変化もないので付け加えることもありません。 ⇒ そのまま使って「診断名」に(不変)とでもつけておきましょうかね。それくらいしかできないほど完璧です。

という気持ちで使っているなら、問題はないのでは?

私などは 必要もないのに加筆訂正などするのは かえってけちをつけるようで心苦しく思うほうです。

目的に添ったコピペのメリット

また、前回の所見に統一することによって 主治医の読む手間、理解する手間も省くことができます

これはコピペのメリットということで挙げました。

コピペにより書く時間を浮かせられたら、その分画像を読む時間に使えます。

ある一面におけるコピペのデメリット

研修医など(研修医に限定せず読影能力の足りない人も含めて結構です)に対しては読影能力を磨くのに不都合な点があるということで奨められません、と述べました。

これはコピペのデメリットということで挙げましたが、この場合のコピペの功罪は 本題の「過去所見のコピペが非常識な行為なのか」とは別の問題です。

電話の普及段階のときも 「電話で人にものを頼むとは非常識だ。ちゃんと書簡にしたためて頼め」と言われたそうです。いまでは日常茶飯事ですけど。

「電話など証拠の残らない(当時は録音機能がなくて残らなかった)もので重要事を依頼すると、証拠も残らないので嘘やはったりなどを混ぜて犯罪スレスレのことを相手にさせようとするやつもいるから、電話でものを頼んではいけない」

と言う人が今いるでしょうか。どこかにいそうな気もしますが。^^

使う人は千差万別。思惑もいろいろ。利用者のうちの最低のヤツのことを考えればきりがありません。

コピペという作業より態度の問題

それにこの実力低下問題はじつはコピペにあるのではありません。

コピペができない(過去所見を表示のみできる)システムでは、画像を読んで過去画像と比べ、過去所見を見て問題なく変更点もないので、所見欄に「前回と不変です」と書くことに変わるだけのことです。

これはコピペではありません(したがって以前の読影医から「失礼だ」とは言われない)が、実力低下というデメリットはあります。

それにコピペして書く時間を浮かせられたら、その分画像を読む時間に使えるのは大きいです。

コピペして、画像もよく読まない のでは読影力はどんどん落ちて大問題ですが、それはその読影医の問題ですね。やがて自分にはねかえってくるでしょう。

関連記事

###

画像診断報告書のコピペ

画像診断報告書でのコピペ

ある患者さんの画像診断の過去のレポートを他の医師が書いていて、今回同部位を再検したのを自分が担当したとしましょう。

変化がなかったので、過去のレポートをそのままコピペして返却すると、非常識なこと(過去のレポートを書いた人に失礼)になるでしょうか?

この前、A先生からメールが来て、

「B先生が私の書いた所見をそのままコピペしてる。非常識な行為だ!」

とおっしゃるのですが、昔ならいざしらず、このデジタルな時代に、10-20倍くらい仕事が増えているこの時代に はたして非常識にあたるでしょうか。

報告書は著作権の対象外

過去の報告書を見れば誰でもコピペとわかるわけで、文芸作品などのいわゆる盗作(自作と詐称する)行為にはなりえません

どちらがどちらをコピペしたかも 100%間違いなくわかりますし。

そもそも画像診断報告書のようなものには著作権は発生しません

知り合いにも訊いてみましたが、「ハア? なにか問題でも?」という感じの答えが多いです。

私はむしろ、自分の文章を他人がそのまま採用してくれたらうれしいほう です。

採用してくれた先生の貴重な時間を節約してあげられたかな と思ってちょっとうれしくなります。

かえって変に書き直されると ちょっとガクっときたりします

誰のための何のための報告書か

我々は文芸作家ではありません。

しょせんは報告書という書類です。美文、名文を披露する場所ではありません。

目的は患者の治療の役に立つことであり、そのためにならないことはすべきでありません。

ようは、主治医に読んで誤解の生じないように正確に理解してもらわないといけないってことです。

コピペをしなかった場合、つまり所見内容が同じでない場合に、結局病状に変化がないのなら、「所見をわざわざ違うように書きなおしているのはなぜか」と主治医は怪しむのではないでしょうか。

「なんか違うように書いてあるので真剣に読んだが、結局は同じかい!」 と憤る方もいるのではないでしょうか。

「構造化レポート」で誰が読んでも同じ所見にしようというカゲキな意見の方(冗談です:失礼しました)もおられるような時代に、病勢に変化がなかった場合に毎回違った所見を一から書くなんてのは 百害あって一利もないように思います。

先人の努力を有効に利用させてもらいましょうよ。

みんな忙しいんだから、お互い助け合えばいいじゃないですか・・・と思うのです。

コピペが望ましくない場合

例外が一つ。

放射線科の研修医などが安易にコピペするのは教育上よくありません。

これは禁止しましょう。研修医のためですから。

どうしてもコピペされるのが嫌なら、最後に「無断転載を禁ず」と書いておけばいいと思います。著作権がないので効力があるか疑問ですが。

きっと「たかが報告書なのに、何様のつもりだ」と思われる主治医も多々おられるかと思いますけれども。

関連記事

###