個人で非常勤遠隔画像診断
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画像診断
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ちょっとヤバいタイトル(?)ですが、ちょっと前に、個人で遠隔画像診断を始めるにあたりお悩みの医師からご相談を受け、アドバイスをしたことがあります。
知り合いの病院から 非常勤医として遠隔画像診断を依頼
現在週に何日か非常勤をなさっておいでの方ですが、知り合いが常勤をしている病院から 「非常勤医として遠隔画像診断」 を頼まれたそうです。画像診断管理加算の問題はここではわきにおいておくことにします。
こうした場合、病院側がすでに導入中のシステムを遠隔画像診断用に対応させた端末を自宅におくことが多いです。
- 病院側のメリットは常勤医と同じシステム上で読影できるので、運用上の融通が利きやすいことです
- 病院側のデメリットはあまりないと思います
- 読影医側のメリットは自宅にいながら院内の忙しさが推測できることです
- 読影医側のデメリットは決められた形式の端末(汎用性がない)を自宅におく必要があるということです
端末の費用負担
こうした場合、端末の費用は普通病院がもって、その分読影料を多少差し引くというのが普通かと思います。
読影医は病院から機器を借りるというわけです(通信回線は自分名義で自宅で引く必要があるので自腹になるケースはあります)。
慣れない病院の場合、読影医が払えということがあるようです。ご相談のケースの問題点がこれでした。
遠隔画像診断医が全然”働かない”リスクを回避する意味もあるのでしょうが、読影端末の中のソフト(これが費用のほとんどを占める)は病院独自のものですからちょっとスジが違うように思います。
端末代は病院にもってもらって読影料を少し下げる形で決着するのがベストですね。
どれくらい下げるかは何年で費用を回収できるかという観点で病院が算出できるはずです。
常勤医がいない場合
常勤医がいない場合は院内に読影システムがあってないようなものですので、イーサイトのクラウド型遠隔画像診断システムを導入してもらい PACS と繋げば終わりです。
- 病院側のメリットは世界中の誰にでも読影してもらえるということです
- 病院側のデメリットは費用以外にはあまりないと思います
- 読影医側のメリットは自宅以外でも読影できることです
- 読影医側のデメリットはあまりないと思います
読影医のメリットはまだまだあり、自宅に特殊な端末をおく必要は全くありません。
普通のパソコンで読影できるからです(胸部レ線やマンモグラフィの場合は高精度モニタが必要ですが)。
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