ワンダーピュア 10cm フルレンジ WP-FL10 の特徴
公開日:
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最終更新日:2020/05/30
オーディオ
日本の大手スピーカーメーカー Fostex の10cmフルレンジのスタンダード FE103NV の周波数特性はこんな感じ。

問題は低域。下の図をご覧ください。

150Hz 以下はダラ下がり。他社の 10cm ユニットでもよく見る特性です。中高域の平均レベルよりはるかに小さい音しかでません。
ということで、自作マニアはこの低音の低下を補うために箱(ボックス、エンクロージャー)を工夫するわけです。上のユニットなら、60Hz と 120Hz あたりに共鳴周波数を持つダブルバスレフをあてがってやるとか。
ところが、ワンダーピュア WP-FL10 の周波数特性は

箱に入れなくても盛り上がっているのです。中高域の平均レベルより大きい部分がほとんどです。50Hz から低い音はやや低下していますが。
普通はこんなのありえません。おかしいのです。異常なのです。低域が出過ぎです。
で、これを低音の補強される箱に入れるとどうなるか。
出過ぎーの二乗ですね。どんだけ~、です。
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でも出過ぎということは抑えてやればいいのです。
アンプのトーンコントロールで調整すればいいですし、置き場所を工夫したり、ホーンや共鳴管、バスレフなら開口部を部分的に塞いでやったりすればいいのです。
出ないのを出るようにするのは無理がかかりますが、出過ぎるのを抑えるのは無理もコストもかかりません。
*
本日も ワンダーピュア WP-FL10 +バックロードホーンを聴きながら仕事をしていましたが、実に楽しいです。
高音、中音はややマイルドな感じなのですが、女性ヴォーカルはとてもいい感じ。
低音はたっぷり。ただし、通常のバックロードホーン向きのユニットのような押し出しの強さはあまり感じません。共鳴管の低音のようなゆったりした印象です。
バックロードホーンは箱が大きくなるので嫌だという箱のサイズを抑えたい人は、普通のバスレフや息抜き程度のトランスミッションラインでもいいかもしれません。
ネットを見ても、私以外だれも注目していないようですが、とにかくおもしろいユニットです。
ユニット開口径が 93mm であり、Fostex の FE103 や 107 シリーズと同じなので、103 や 107 用のエンクロージャーをすでにお持ちの方には簡単に付け替えられますため、特にお勧めです。低音は桁違いにたっぷりで、Fostex 得意の女性ヴォーカルも引けをとりません。
マグネット以外は Aucharm E-120 そっくりで、マグネットは E-120 より立派。
Aucharm の OEM(E-120 の改良型?)かもしれません。
だとするとチャイナが廃れたら、あるいは廃れなくても最初のロットが売り切れたら入手困難になるかもしれません。
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