*

大学病院の高度医療

公開日: : 最終更新日:2014/04/10 画像診断 ,

昔のとある大学病院の話。

外科のQ先生、あちこちの病院で「手術はできません」と言われた患者の手術をしてくれるというので、名医と慕われて遠方からも患者が来院。

手のつけられないほど広がった癌病巣をすべて取る「超」拡大手術を行うのですね。

こういった患者は 画像診断でわかる転移巣以外にも全身に癌病巣が広がっているので、どんな手術をしても癌のすべてを取ることはできないのです。

つまり、手術適応がない。 というか、手術をすることでかえって余命を縮めてしまうのです。

実際、Q先生の手にかかると回復室で意識の回復しないまま(「麻酔が覚めない」と婉曲的に麻酔医のせいかもと思わせる表現が使われることも・・・) お亡くなりになったケースが多かったようです。

最悪の場合、手術中に亡くなる、と。

口の悪い同僚は「生体解剖じゃないか」と言っている人もいたようです(思っている人はもっと多かった)。

でも患者の家族は 「これだけしてくれて、だめだったのだから」 と納得されていたようです。感謝さえする家族もあったとか。

このQ先生、ついに大学病院におれなくなり、ある県立病院に出されました

そこでも同じ医療をして同じ結果が出たわけですが、それからが違いました。

訴訟沙汰になったのです。

大学病院の医療は高度だから許された、というのは間違っていますね。医療内容は同じだから。

大学病院では患者や家族の「勘違い」が高度だったということでしょう。

最近は様変わりして、大学病院でも容赦なく訴訟されることが多くなりました。

喜んでいいのか悪いのか。

###

 

関連記事

画像診断雑記の更新

* * * 画像診断雑記の更新をしました。 6例めになります。 興味のある方はどうぞ。

記事を読む

AI と画像診断

「人工知能(AI)は画像認識が得意なので、レントゲンやCT/MRI の読影の仕事はなくなるのではない

記事を読む

ゴーンの初期変化群 Ghon's complex

ゴーンが出廷したとのニュースが街を賑わした昨日、セカンドオピニオンの患者さんが持ってきた胸

記事を読む

関節のMRIは GE(FE)が基本

最近のMRIで関節(膝・肘・肩・股・手・足)の撮像のとき、やたらめったら 脂肪抑制T2WI FSE

記事を読む

遠隔画像診断のビジネスモデル(2)

遠隔画像診断のビジネスモデルの続きです。 * 遠隔画像診断の模式図を変更しました。 上

記事を読む

辷り症 向き

* じつに嘆かわしいことに脊椎の辷り症を正しく診断できない放射線科医がいます。 その初歩の初

記事を読む

画像診断雑記の更新9例目

* * * 画像診断雑記、9例目をアップしました。 いつものネタです。

記事を読む

no image

ふざけた画像診断システム

職業がらいろんな遠隔画像診断装置を扱っていますが、ある装置では 患者リストから患者を選択

記事を読む

胸部レ線は難しい?(トレーニングすれば読めます)

胸部レントゲン写真は奥の深いものですが、きちんとトレーニングすれば読めるものです。 * 多く

記事を読む

RadFan12月号の拙稿

* 大したものでもないのですが、期間限定で以下の URL に置いておきます。 もし興味が

記事を読む

整備済み品東芝製ハードディスク届きました

整備済み品東芝製ハードディスク届きましたが、プチプチ封筒に素(す)で

HFM 口座開設成功

HFM (旧 HotForex)という業者に口座を開くことに成功しまし

みんなで大破さん

「みんなで大家さん」というあやしいスキームが問題になっています。 不

整備済み品東芝製 500GB ハードディスク(2.5インチ 内蔵型)

東芝 の HDD MQ01ABF050 です。2.5インチの 50

【FX】AXI Select は一番実入りのいい副業かも

AXI Select とは AXI という海外FX業者がみずから行って

→もっと見る

  • アクセスカウンター
PAGE TOP ↑