YAMAHA NS STEREO
初めて所有したオーディオ装置は YAMAHAの”セパレートステレオ”でありました。
小学生高学年のころですから、1960年代末のことでした。 まだ神戸市須磨区大手町に住んでいたときに母親が買ったもので、本体はLP プレーヤーと FM/AM チューナーが合体したレシーバーアンプでありました。
本体はまともだったのですが、この装置に付属していたスピーカーは実に奇っ怪なしろものでした。
須磨区権現町に引っ越ししてからは弟が父親にせがんで Sansui のコンポを買ってもらったので、この奇っ怪なシステムは京都で下宿することになった私が持っていきました。
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(上の写真は NS-15)
このスピーカー(たぶん NS-10)は後面開放型ということさえ変わっていましたが、問題はそのユニット。
2ウェイで、ツィーターは小さなソフトドーム型のもの(直径2-3cm)が付いていましたが、メインスピーカーは発泡スチロール板で縦60cm×横40cmぐらいの巨大なものでありました。いびつなスケートリンクのような異形のものです。グランドピアノの響板構造をヒントに作ったものと言われましたが、私は信じないぞ。何の根拠もないじゃないか・・・
側板も厚さ 1cmくらいの心許ないもので、軽くて薄いため壁掛けにしてました。
というか、薄くて重心は前よりのために直立できなかったような記憶があります。
前面には不細工なスピーカーユニットが見えないようにグリルが付いていました。 当たり前か、こんな不細工なものが見えたら誰も買わない。 実際最初にグリルを外したときは見てはいけないものを見てしまった少年のように恥ずかしくなったのでした。
その後は下宿に遊びに来た友人に見せて笑いのネタにしていましたが。
「この部屋にはヌリカベと目玉オヤジがいるんだ」
*
この平板変形スピーカーをヤマハは “Natural Sound” スピーカーと呼んでいました。
音は低域がドヨーンとして、高域はさっぱり。まるで電話の受話器のような音であったと言えば言い過ぎですが、悲しい音でした。
喫茶店で BGM のためにクラシックをかけるのなら、まあ聴けるかもしれません。
それが Natural Sound の意味だよと言われればそうかな、と思うかもしれません。
ピアノの音も引っ込んで、昔の AMラジオの雰囲気。
現代のヤマハ製スピーカーの型番に”NS”が付くのは、このナチュラルサウンドシステムの名残だそうです。呪われた名前をなんとかしようとその後のヤマハのスピーカーはナチュラルな音がするようになりました。私は好みではありませんが。
オーディオメーカーとしてのヤマハ製品はこれに懲りていっさい買っておりません。^^
NS STEREO の本体は友人にあげました。 スピーカーはどうなったか記憶にない。捨てたのだと思いますが・・・
誰かが拾って 100年使い続けたら、ツクモ神になるかなあ。
ヌリカベと目玉オヤジ・・・
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