「放射線科の診療報酬」の「遠隔画像診断外部委託」について
公開日:
:
最終更新日:2016/08/22
画像診断
放射線科の診療報酬
http://www.jcr.or.jp/Medical_fee/index.html に「放射線科の診療報酬」が載っています。
新しい解釈が載っているので、関係者はお目をお通し願います。
遠隔画像診断外部委託について
http://www.jcr.or.jp/Medical_fee/contentsB.html 「画像診断管理加算」より
画像診断管理加算は、臨床診断の基礎となる画像診断報告の質を確保するための体制を整備した医療機関を評価するために設けられている規定であり、自施設における画像診断に係る体制を整備するのではなく、施設基準の規定等がない外部の機関に画像の読影及び報告書の作成を委託することは、画像診断管理加算の趣旨に沿ったものとは言えないとのことから、「当該保険医療機関以外の施設に読影又は診断を委託していないこと」とされた。
これは以前ここにも書いた原則が記されています。
補助金の目的とは異なる使われ方をされれば、補助金交付の仕組みが変更されるか制度が廃止されるのが常です。
解釈が難しい文章
http://www.jcr.or.jp/Medical_fee/contentsB.html 「画像診断管理加算の算定要件 当該医療機関以外への委託について」より
画像診断管理加算は、算定医療機関の画像診断にかかる体制を評価している点数であることから、外部施設に読影又は診断を委託していない事が要件に明文化された。
「外部委託あり」とは1例でも外部委託している、休日、時間外症例を外部委託している、8割読影していても2割分を外部委託している、専門外の読影を外部委託している、専門的症例で1次読影後、臨時的な外部委託コンサルタントは「あり」にはならない。
コンピューター断層診断料は従来通り算定可能である。
の真ん中の文(「外部委託あり」とはで始まる文)は意味が通じません。
どうやら、Appendix のほうの文章が正しいみたいです。
画像診断管理加算は、算定医療機関の画像診断にかかる体制を評価している点数であることから、外部施設に読影又は診断を委託していない事が要件に明文化された。
「外部委託あり」とは、1例でも外部委託している。休日、時間外症例を外部委託している。8割読影していても2割分を外部委託している。専門外の読影を外部委託している。専門的症例で1次読影後、臨時的な外部委託コンサルタントは「あり」にはならない。
コンピューター断層診断料は従来通り算定可能
ただ、こちらの文章も、
「外部委託あり」は
- 1例でも外部委託している
は絶対に含まれ、
「あり」にはならないのは
- 専門的症例で1次読影後、臨時的な外部委託コンサルタント
が絶対に含まれるのでしょうが、
その間の
- 休日、時間外症例を外部委託している。
- 8割読影していても2割分を外部委託している。
- 専門外の読影を外部委託している。
はどちらに入るのでしょうか。
実にわかりにくい文章です。
一部記号で置き換えると、
「外部委託あり」とは、A。B。C。D。Eは「あり」にはならない。
となります。
「外部委託あり」とは、A。B。C。D。
Eは「あり」にはならない。
なのか、
「外部委託あり」とは、A。B。
C。D。Eは「あり」にはならない。
なのかそれとも他の場合なのかわからないでしょう。これでは。
「。」(読点)はその文が独立した文章であることを示すので、前後の文との関係は文中で明示的に示す必要があります。
それに加え、前文と関係の少ない文(特に関係がないことをはっきりさせる場合)は段落をかえるなどするのが親切です。
- 休日、時間外症例を外部委託している
- 8割読影していても2割分を外部委託している
- 専門外の読影を外部委託している
が、前者(外部委託あり)に含まれるのであれば、こう書くべきですね。
「外部委託あり」とは1例でも外部委託している、休日や時間外症例を外部委託している、8割読影していても2割分を外部委託している、専門外の読影を外部委託しているなどの場合である。専門的症例で1次読影後、臨時的な外部委託コンサルタントは「あり」にはならない。
私ならこう書きます。
「外部委託あり」とは、
・ 1例でも外部委託している
・ 休日、時間外症例を外部委託している
・ 8割読影していても2割分を外部委託している
・ 専門外の読影を外部委託しているなどの場合を含む。
専門的症例で1次読影後、臨時的な外部委託コンサルタントを行った場合は「外部委託あり」にはならない。
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