書物のデジタル化
*
私は読んだ本をデジタル化していますが、読んでいない本はしていません。
本は読むもの、知識を得るものです。
昔は百科事典(学研百科事典、某社のホーム百科事典)も全部通読していました。
*
本を読まずにデジタル化して、iPad に入れて必要なときだけそれを検索する人がいますが、そうすると本の内容は大部分が死蔵になってしまいます。
実にもったいないことです。
ここからは読影医としての読書の話になりますが・・・
読影医は OJT(on the job training)として、自分の経験した症例だけをマスターしていけばいいという意見の方もおられるかもしれませんが、読影のための知識の体系が身についていないと、個々の知識も自分の血肉になりません。
教科書を読んで体系を一度身にまとい、それに自分の経験した症例を付け加えていくのが王道です。
自分の経験した症例しか所見をつけられない人に限って、「私の経験では・・・」とかよく口にするのですが、読影医歴25年以上になる私から見ると「百年早い」と思います。私はおこがましくてそういう言い方はとてもできません。
*
大学院にいたころ、「これからはコンピュータで検索したらすべて出てくるようになるので、細かいことは覚えなくてよくなる」、と言っていた読影医もいましたが、たいていのことは知っておかないと、いちいち調べながらでは一日100件の所見はつけられませんね。せいぜい20件どまりでしょう。
一日100件(ふだんの 5倍ということです)所見をつけて、20年ほど読影したら、5×20で 「百年早い」 とは言われなくなります、たぶん。
###
関連記事
-
-
遠隔画像診断会社の業務(診断以外)
* 遠隔画像診断会社の業務として、診断以外の雑用が結構あります。 契約など、相手の病院が大き
-
-
粘液栓 mucoid impaction について
* ときどき他の人のCT所見で、気管支内にたまった液状物を「粘液栓」と書いておられるのを見るこ
-
-
画像診断管理加算バブルの崩壊の影響
画像診断管理加算の施設基準の厳格化 今回の改訂で他の施設に読影を依頼している施設は、画像診断管
-
-
これは便利なサービス「データ便」
* いくつかの内科開業医さんからの DICOMファイルの受け渡しは、私の借りているレンタルサー
-
-
あほな DICOM ビューワー
うちの事務所にあるアッホなビューワーの話。 遠隔画像診断で使っているのですが、通信が遅いし、ク
-
-
遠隔画像診断での起業 じつは簡単
遠隔画像診断で起業というと、非常に難しい印象を持たれる方もいますが、 1 医師は他の業種に比べ
-
-
遠隔画像診断のビジネスモデル(4)
それぞれの場合での遠隔画像診断サービス会社の違いを見てみましょう。 * 上段は従来のファ