画像診断報告書のコピペについて(続)
前回はこちら>画像診断報告書のコピペ
他人の書いた過去所見のコピペが非常識な行為なのか
前回は「過去所見のコピペが非常識な行為なのか」という問題についての意見を述べました。
主旨は「尊重の気持ちを持ってコピペすることは非常識とは思わない」ということでした。
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画像を見た ⇒ 過去の画像を見た ⇒ 過去の所見を読んだ ⇒ 全くそのとおりでございます。完璧です。さすがです。 ⇒ 変化もないので付け加えることもありません。 ⇒ そのまま使って「診断名」に(不変)とでもつけておきましょうかね。それくらいしかできないほど完璧です。
という気持ちで使っているなら、問題はないのでは?
私などは 必要もないのに加筆訂正などするのは かえってけちをつけるようで心苦しく思うほうです。
目的に添ったコピペのメリット
また、前回の所見に統一することによって 主治医の読む手間、理解する手間も省くことができます。
これはコピペのメリットということで挙げました。
コピペにより書く時間を浮かせられたら、その分画像を読む時間に使えます。
ある一面におけるコピペのデメリット
研修医など(研修医に限定せず読影能力の足りない人も含めて結構です)に対しては読影能力を磨くのに不都合な点があるということで奨められません、と述べました。
これはコピペのデメリットということで挙げましたが、この場合のコピペの功罪は 本題の「過去所見のコピペが非常識な行為なのか」とは別の問題です。
電話の普及段階のときも 「電話で人にものを頼むとは非常識だ。ちゃんと書簡にしたためて頼め」と言われたそうです。いまでは日常茶飯事ですけど。
「電話など証拠の残らない(当時は録音機能がなくて残らなかった)もので重要事を依頼すると、証拠も残らないので嘘やはったりなどを混ぜて犯罪スレスレのことを相手にさせようとするやつもいるから、電話でものを頼んではいけない」
と言う人が今いるでしょうか。どこかにいそうな気もしますが。^^
使う人は千差万別。思惑もいろいろ。利用者のうちの最低のヤツのことを考えればきりがありません。
コピペという作業より態度の問題
それにこの実力低下問題はじつはコピペにあるのではありません。
コピペができない(過去所見を表示のみできる)システムでは、画像を読んで過去画像と比べ、過去所見を見て問題なく変更点もないので、所見欄に「前回と不変です」と書くことに変わるだけのことです。
これはコピペではありません(したがって以前の読影医から「失礼だ」とは言われない)が、実力低下というデメリットはあります。
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それにコピペして書く時間を浮かせられたら、その分画像を読む時間に使えるのは大きいです。
コピペして、画像もよく読まない のでは読影力はどんどん落ちて大問題ですが、それはその読影医の問題ですね。やがて自分にはねかえってくるでしょう。
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