街道をゆく 10 羽州街道 佐渡のみち / 司馬遼太郎
公開日:
:
読書
![]() |
街道をゆく (10) 羽州街道・佐渡のみち (朝日文芸文庫 (し1-11)) 司馬 遼太郎 朝日新聞社 1983-01 売り上げランキング : 415476 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆
司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズの第10巻です。
羽州と佐渡との組み合わせ。
羽州街道篇では山形県の米沢がメインの題材となっています。
米沢
米沢では関ケ原以後の直江兼続にスポットライトが当てられています。
彼の兜の「愛」の字は女好きなのではなく、「愛民」を表しているそうです。
最上川では芭蕉が取り上げられています。最上義光が取り上げられるかと思っていたのですが、かすりもしませんでした。
あとは清河八郎の話が少し。
山形の紅花
山形の特産の紅花については、信長がこの地の白鳥長久という武将に苗を与えたのが気候が合ったのか、殖産に成功したのが始まりとのこと。
「くれない」は「呉の藍」から由来しているのだろうと書かれてあり、一本とられました。
もちろん呉(シナ)から来た染料という意味ですが、それまでは日本には染料は藍しかなかったので、藍イコール染料だったわけ。
紅花が来て別の染料があることを日本人が知ったということですね。
佐渡
佐渡では日本書紀に書かれている「粛慎人(みしはせのひと)」を最初に取り上げ、これは靺鞨のことではないかと推測されています。
佐渡は古くから金山で有名ですが、最初に目につけたのは貨幣経済が発達してからの上杉景勝(たぶん直江兼続)で、領主の本間氏を滅ぼしています。それから秀吉に召し上げられ、家康が大久保長安を送り込んで金山を徹底的に掘りつくしたのですね。
大久保長安以外に川路聖謨(一時佐渡奉行をやっていたことがある)、順徳天皇(佐渡遠流となった)とその皇女の話が出てきます。
知らなかったのは小比叡騒動とその主役の辻藤左衛門の話。
少し知っていたのですが、深く考えていなかったのは、江戸時代は佐渡の金山の人足に江戸に流入してくる無宿人を捕らえて使っていたこと。
無宿人になるプロセス(親族に籍を抜かれる)が悲惨ですし、まだ罪を犯していない段階の無宿人(罪を犯すような狂暴なヤカラは厄介なのでスルー)を3年で全員死ぬと言われる鉱夫に送り込んだのは江戸幕府最大の汚点だと書いています。これがほんとうに謝罪と賠償が必要な所存だと思いますね。
関連記事
###
関連記事
-
-
「お金を稼ぐ!」勉強法 / 藤井孝一
「お金を稼ぐ!」勉強法 藤井孝一 三笠書房 2008-07-18 売り上げラン
-
-
3分で「気持ちの整理」ができた。 / 中谷彰宏
3分で「気持ちの整理」ができた。―悩んでるヒマがもったいない。 中谷 彰宏 三
-
-
私は株で200万ドル儲けた / ニコラス・ダーバス
私は株で200万ドル儲けた (PanRolling Library 16) ニコ
-
-
出したらしまえない人へ / 荒井 有里
出したらしまえない人へ―しまおうとするから片づかない 荒井 有里 主婦の友イン
-
-
The万年筆 / 梅田晴夫
★★★☆☆(The筆年万と違うで) 1974年発売。現在絶版中で入手困難です。 私は
-
-
神々のWeb3.0 / 小林雅一
神々のWeb3.0 神々の「Web3.0」 (光文社ペーパーバックス) 小林雅
-
-
謎の感染症が人類を襲う / 藤田 紘一郎
謎の感染症が人類を襲う (PHP新書) 藤田 紘一郎 PHP研究所 2001-
-
-
応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) / 呉座 勇一
応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 呉座 勇一 中央公論新社 20
-
-
売り上げを倍増させたアフィリエイト最新実践テクニック / 矢野 きくの
売り上げを倍増させたアフィリエイト最新実践テクニック -OL・主婦もしっかり
-
-
読むクスリ〈2〉 / 上前淳一郎
読むクスリ2 上前淳一郎 読むクスリ (Part2) 上前 淳一郎 文藝春秋
- PREV
- 【ヤフオク】 広沢池の続く道 冨岡和代 リトグラフ 落札
- NEXT
- 中国軟木画







