遠隔画像診断のビジネスモデル(5)
公開日:
:
最終更新日:2014/05/28
画像診断 遠隔画像診断システム
ということで、ようやく遠隔画像診断サービス会社のビジネスモデルの話になりました。
*
遠隔画像診断サービス会社はだいたい2つの形態があり、
- システム部門+マネージメント部門+生産部門(読影医)
- マネージメント部門+生産部門(読影医)
のようになっています。
1が大手のモデルで、医師を雇ってマネージメント部門が全体を統括します。ほとんどが株式会社の形態をとります。
2が大学医局や民間の個人レベルの開業形態で、システムはほかから調達します。会社の形態は株式会社、合同会社などさまざまです。
*
私が共同代表を務める LLP テラーク は 2の変形で、マネージメント部門も別会社に委託し、生産部門(読影医)だけが独立して組合を組織しています。会社にしてもいいのですが、何重にも課税されることを回避するために LLP(有限責任事業組合)の形態をとっています。
*
それぞれの形態で主導権を握る部分は「お客をとってくる部門」になります。
医師がいくら偉そうにしていても「お客をとって」これないと奴隷(社畜)と同じです。
LLP テラークのような独立形態をとっても自分たちで「お客をとって」これないと、他の会社の下請けにずっと甘んじることになります。
*
システムは他から借りる。
マネージメントも他に委託することができる。
でもマネージメントの中の営業の部分は医師がやらないと、所詮独立したことになりません。
*
以上、遠隔画像診断サービス会社の解剖を行ってみました。
もちろんそれぞれの会社の特殊事情で、実情はかなり異なる場合があります。
どの形式で関わるにしろ、営業の部分の力を持っていないと、いつまでも檻に閉じこめられているのと同じです。会社に寄生して、働かずにほかの医師から搾取しようと考えている人はそれでもいいのでしょうが。
*
これから起業される方はご注意ください。
一番の会社の財産は良質な医師ですが、あなたにとってもう一つ必要なものは営業力です。
関連記事
###
関連記事
-
-
日中救急症例を受けられる体制 遠隔画像診断
* わたしは 2005年6月から昼間の遠隔画像診断センターを運営しています。 それまでは自宅
-
-
原始舌下動脈遺残のMRA
* この10年間で3例目ですが、原始舌下動脈遺残です。 原始三叉動脈遺残はしょっち
-
-
画像診断2018年4月号 解剖から迫る呼吸器画像診断
画像診断2018年4月号 Vol.38 No.5 画像診断実行編集委員会
-
-
脳・脊髄の連想画像診断−画像に見えないものを診る / 森 墾
脳・脊髄の連想画像診断−画像に見えないものを診る 森 墾 メジカルビュ
-
-
遠隔画像診断事業 売上を3倍伸ばした私の方法
* タイトルはちょっと煽ってみました。^^; 答えはここにも⇒ 日中救急症例を受けられる体制
-
-
これから遠隔画像診断を始める人のために ビデオ
ビデオ⇒ これから遠隔画像診断を始める人のために アップロード日: 2010/09/28
-
-
RadFan12月号に拙稿が載りました
* かねてからこっそりお知らせしていましたが、リレーエッセイのトップバッターを仰せつかりました
-
-
The iliac wing sign / 骨盤外傷のサイン
T2WI 前額断像[/caption] 上の画像は左恥骨体部骨折の症例の急性期の T
- PREV
- 遠隔画像診断のビジネスモデル(4)
- NEXT
- ALCMTR.EXE はRealtekのスパイウェア