日別アーカイブ: 2013年7月15日

逆説の日本史16 江戸名君編(2)

逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫) 逆説の日本史16 江戸名君編 (小学館文庫)
井沢 元彦

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前の 逆説の日本史16 江戸名君編 で書きましたが、後半部分です。

後半は江戸時代(上方、江戸)の文化について。

俳諧・歌舞伎・落語といった江戸文化は最初上方で花開き、それが江戸にも伝授され、江戸で独自の(と言うほどの差異はないとも思いますが)文化を作りました。

この文化のおかげで、日本人の識字率の高さがさらに高められます。

日本人の文盲の少なさの理由を寺子屋に求める人が多いですが、井沢氏はもっと古い時代から大きな変革があったのだとします。

それは平家物語と太平記。源氏物語ではありません。

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文字を知らない大衆にどうやって文字を教えるのかは大きなテーマです。

文字と発音、意味とは本来なんの関係もないものだからです。

それにはまず、音曲化して口語文(ひらかな)を耳に染み込ませ、こんどはそれを字(漢字)にあてはめるというステップを踏む必要があります。

まず大量の「意味のわからない音のつながり」を蓄積させ、それを文字化させることによって肉付けをする。

そのためのテキストとして「平家物語」は実に適していた。

日本以外にはこのようなものはなかった。だから世界に先んじることができた。

源氏物語は「書き物」なので「目で見る」しかない。つまり、字を知らないと理解できないのです。

平家物語は字を知らない大衆でも理解ができるという点で、源氏と平家はまさに正反対なんです。

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印刷技術もない時代に庶民に広めるには多数の琵琶法師(西洋の吟遊詩人、昭和の紙芝居屋さんのようなもの)という「生きたテキスト」が利用されたのです。

琵琶法師は盲目ですから、書を使って教えられない。

かえってそれがよかったわけです。

文字だけではおもしろくないので、音楽をつけた。

音のついた文章というというと、歌の歌詞のようなもの。

最近イタリア語の歌を耳コピで歌っていますが、それから歌詞を見れば、ああこういう発音でこういう意味だったのか、とよくわかります。

こういう素地が平安時代から庶民階級にもあった。

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あとは「平家物語の××というのはこういう字をあてて、こういう意味だよ」と教えればいいわけです。

「ああ、あれってこのこと」という発見はひどく楽しいものです。学習意欲がわきます。

こういう素地がないと、「この字はこう読んでこういう意味に使われる」と、全く知らないことを丸暗記しないといけなくなります。おもしろくないでしょ。英語ができない生徒によくあるパターンです。

私は小学校の頃にビートルズの洗礼を受けたので、中学校の英語の授業はむちゃくちゃおもしろかったです。

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昔の人は、漢文もそうやって耳から覚えさせられて、後から字に落とし込むという方法をとっていました。

そういう意味ではあの英語教材「スピードラーニング」も理にかなったやり方かもしれませんね。聴くだけでは半分で、後から字に落とし込まないといけませんが。

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読書「逆説の日本史11 戦国乱世編」

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逆説の日本史16 江戸名君編 / 井沢 元彦

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このシリーズは第一巻から読んでいます。単行本は高いので文庫化されたものが出ればすぐに買っています。

今回は江戸名君編。

水戸黄門、保科正之、上杉鷹山、池田光政を取り上げています。

水戸光圀が「大日本史」を創作したのは林羅山(こいつはしょうがないアホ)の天皇中国人説に反発したから。

水戸学の創設が幕末の尊皇運動を作り上げた。つまり、幕府を倒したので幕府にとっては名君でないかもしれませんが、民にとっては名君でしょう。

保科正之が兄の徳川家光(こいつもアホ殿)にいかに尽くしたか。賢弟とはいいものですが、報われませんね。

吉良上野介(この人は実は善人)の玄孫である上杉鷹山は実は血の粛清を行って、上杉藩の改革を推し進めました。最初は抵抗勢力(最たるものは先代のアホ殿)が多いですモンね。

熊沢蕃山を採用し善政を行った岡山藩主の池田光政(姫路城を造った池田輝政の孫)はわたしはノーマークでした。じつにスゴイ人がいたものだ。組織のトップは自分ができなければできる人を連れてくるというのが大事と言われますが、あのガチガチの時代に他領から蕃山を抜擢したのはすごいことです。

蕃山が閑谷学校(しずたにがっこう)を作って武士のみならず農民、はては他領の農民まで自由に入学させたというのは浅学にして知りませんでした。庶民に門戸を開いた学校としては世界初とか。

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朱子学の解説のところで、「太平記は第22巻が欠落しており、その前後でがらっと内容が変わっているのは、作者と違う人物が最終章を抹殺して続きを書き加えたから」、という指摘はなるほどと思いました。

前半をまとめるとこんな感じ。後半はまったく題材が変わっていますが、それもおもしろい。別の記事で書きます。

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