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街道をゆく (15) 北海道の諸道 / 司馬遼太郎

公開日: : 最終更新日:2018/04/23 読書

街道をゆく (15) (朝日文芸文庫 (し1-16)) 街道をゆく (15) (朝日文芸文庫 (し1-16))
司馬 遼太郎
朝日新聞社 1985-07-01
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★★★☆☆

北海道にまつわる司馬さんのエッセイ。

地誌よりはやはり歴史に重点が置かれてしまうのですが、司馬さんの書く歴史に文句をつけることはできませんしねぇ。

アイヌ、松前藩、高田屋嘉兵衛、函館ハリストス正教会、蝦夷錦、開陽丸、札幌、開拓使の住居、新十津川町、関寛斎、三岸好太郎と節子などについての深い話が綴られています。

松前藩の由来とアイヌとの抗争(もっぱら松前藩の圧政が過酷すぎ)は知っていましたが、居城との関わりは初耳。

高田屋嘉兵衛の好男児ぶりは司馬さんの長編『菜の花の沖』で知っている人も多いでしょう。

函館ハリストス正教会のニコライ神父については全く知りませんでした。

三岸節子さんの早逝した夫で天才画家の三岸好太郎も初耳。作家の子母沢寛は好太郎の異父兄とか。

榎本武揚の開陽丸の無残な最期は知っていましたが、その後の引揚げ作業の話は初耳。

開陽丸の旗印は日の丸で、これは島津斉彬が薩摩藩の船旗を幕府軍の海軍ができたときに船旗に使用するように勧めたからとか。

開陽丸を失った土方歳三などは陸戦でも日の丸を掲げて戦ったので、北海道では菊の紋章と日の丸の2旗が戦場で相まみえるになったとか。

奈良の十津川村は南北朝時代に南朝側についたため、神道を信仰している住民が多く、武士ではないが文武両道に秀でる人が多く、明治維新にも何人かの志士を輩出しています。

明治22年に水害で 168人死亡し十津川村の大部分もがけ崩れなどで住めなくなったため、明治政府は難民の大半を北海道に送って開拓者として使役することにしたそうです。

そして移住した北海道の開拓地に新十津川村ができたわけです。

難民は十津川村から徒歩で神戸まで歩かされたり(そこから船で函館まで運ばれた)、北海道での住居が板張り1枚の粗悪なものだったので最初の冬を越せずに亡くなった人も多数いたそうな。

以前 TV で奈良の十津川村と北海道の新十津川村の縁戚がルーツを探して巡り会う話を観たことがありますが、明治22年の水害で生き別れになった人たちなんでしょうね。

明治政府は罪人だけでなく浮浪者なども捕縛して北海道の開拓にあたらせました。過酷な環境下でこれらの人ががんばってくれたおかげで、森林しかなかった北海道にあれだけきれいな道路、畑や牧場ができたわけですね。

関寛斎という人も初めて知りました。蘭学を学び開業医をやっていた人ですが、高齢になってから北海道に入植して私財をなげうって原生林を開拓し、後からやって来た人に拓いた田畑を無料で分け与えた方。

過酷な自然と立ち向かい健気に生きた昔の日本人の姿に感動します。

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