画像診断管理加算の施設基準に関して
画像診断管理加算の施設基準に関して
「特掲診療料の施設基準等の一部改正」(平成26年3月5日 厚生労働省告示第59号)によりますと、
(1)画像診断管理加算1の施設基準
- イ 放射線科を標榜している保険医療機関であること。
- ロ 当該保険医療機関内に画像診断を専ら担当する常勤の医師が配置されていること。
- ハ 画像診断管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
(2)画像診断管理加算2の施設基準
- イ 放射線科を標榜している病院であること。
- ロ 当該保険医療機関内に画像診断を専ら担当する常勤の医師が配置されていること。
- ハ 当該保険医療機関において実施されるすべての核医学診断及びコンピューター断層撮影診断について、ロに規定する医師の指示の下に画像情報等の管理を行っていること。
- ニ 当該保険医療機関における核医学診断及びコンピューター断層撮影診断のうち、少なくとも八割以上のものの読影結果が、ロに規定する医師により遅くとも撮影日の翌診療日までに主治医に報告されていること。
*
以下は私の注釈、意見です。
【注】 核医学診断及びコンピューター断層撮影診断とは
コンピューター断層撮影診断とは CT、MRI を指します。
核医学診断もコンピューター断層像によるものが大半ですが、中にはまだプラナー像が残っているため、このような表現になっていると思われます。
【問題点】
問題点は画像診断管理加算2において 「少なくとも八割以上のものの読影結果が、ロに規定する医師により遅くとも撮影日の翌診療日までに主治医に報告されていること」 です。
これが結構ハードルが高い。
常勤医のみでこれを実施しようとすると、相当数の常勤医が必要ですし、少ない常勤医で行うと過酷な労働条件になることが多いです。
日本は CT、MRI の数は世界一なのに、放射線科医の数は先進国中最下位クラスなのですから。
この条件をクリアするために非常勤医や遠隔画像診断医などの協力を得ていた病院も多かったのです。
ところが、今回の改訂で他の施設に読影を依頼している施設は、画像診断管理加算(1、2)の施設基準からはずされることになりました。
理由は前回も申したとおりです。
病院側に悪気はなかったにしろ、厚労省に「目的外の用途に使われ」たという印象を持たれたのは残念です。
*
しかし、他の施設に読影を依頼しているというだけで、画像診断管理加算1までとれなくなるのは心外ですね。
画像診断管理加算1は常勤医を雇ったことに対する報奨金のような位置づけだと思っていたので。
*
画像診断管理加算 関連記事
###
関連記事
-
-
医者が病院から逃げ出すとき / 米山 公啓
医者が病院から逃げ出すとき (ちくま文庫) 米山 公啓 筑摩書房 2008-
-
-
大阪出張! MS.CHEST神田塾 !!
* お知らせです。 先日ここに書いた 2013年2月2日(土曜日)の 「画像診断クラウド研
-
-
spared lesion は間違い
* 脂肪肝で、周囲より脂肪浸潤の少ない領域が見られることがあります。 血管支配によることが多
-
-
師匠がいないと支障がある
* 以前の記事「優れたプロスポーツ選手は兄か姉がいる 」でも書きましたが、人間ってのは目標がな
-
-
おバカな考え方(2)
* あなたが必要という額をちゃんとあげているから小遣いは充分なはずでしょ と奥さんに言わ
-
-
くも膜下腔と硬膜下腔
所見をつけたら質問が来ました。 上のような症例で「硬膜下腔に液貯留あり」と書いたら、「脳
-
-
遠隔画像診断事業 売上を3倍伸ばした私の方法
* タイトルはちょっと煽ってみました。^^; 答えはここにも⇒ 日中救急症例を受けられる体制
-
-
student’s tumor
あるあるネタです。 個人開業医からの紹介で、「肺腫瘍疑い:胸部CTを依頼します」のかなりの部分
-
-
エヒノコッカス(エキノコックス)という名前
エキノコックスという寄生虫がいます。 非常におもしろい寄生虫で、親は条虫でサナダムシの仲間(エ
- PREV
- 風が吹けば桶屋が儲かる 経済評論家
- NEXT
- カワウソうなワニ