“脱グローバル化"が日本経済を大復活させる / 三橋 貴明
公開日:
:
読書
三橋 貴明
青春出版社 2012-12-15
売り上げランキング : 322039
by G-Tools★★★★☆
三橋貴明の 2012年の本。
この人の本は題名が違っていても、時期が同じなら内容はほとんど同じのことが多いです。
ただし、今回は TPP の話はなしで、グローバリズムの弊害とそれを脱するための方策に的をしぼっているようです。
*
いつものようにグローバリズムの罠をユーロ圏、とくにギリシャを例に挙げて説明。
ギリシャの歴史が詳しく書いてあって非常に参考になりました。
*
グローバリズムは海外に所得や雇用を奪われる結果を引き起こす。グローバル化は所得を減らす最悪の策だと世界中で気づき始め、ナショナリズムが各所で台頭してくるであろうと指摘しています。
各国の中でも、モノの供給能力がもともと突出して高く、デフレになりやすい体質を持った日本は、さらに独立した通貨を持っているがゆえに、国家破産は起こさないと説いています。
ただし、このデフレの状態で国民も企業も政府も投資をしないのであれば、所得が生まれず、どんどん国は貧乏になっていく。
誰かが投資をしないといけないわけです。
国民も企業も借金はしたがらないでしょうから、現実的には政府がどんどん国債を発行して、日銀は日本銀行券を発行してインフレにしないと子日本はどんどん貧しくなっていくわけです。
ハイパーインフレが起きるぞ、とかいう戯言も聞こえますが、日本は生産設備がほとんど破壊された太平洋戦争直後でさえ、400% 程度のインフレしか起きなかったので、生産設備が十分なこの日本でハイパーインフレなどが起きるはずがない、と喝破。
実に説得力があります。
アベちゃん、これ以上増税しないでもっとアベノミクスして。
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