画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(3)
前回はこちら⇒ 画像診断管理加算バブルの崩壊の影響(2) 地方の中核病院の場合
画像診断管理加算バブル崩壊の影響
私の予想を表にまとめます。
常勤医 | 非常勤医 | 遠隔読影医 | |
---|---|---|---|
都市型病院 |
増加 | 増加 | 0まで減少 |
近郊型病院 |
減少 | 減少 | 最初減少、その後? |
遠隔地型病院 |
0まで減少 | 0まで減少 | 増加 |
「0まで減少」というのは0になるまで減少傾向が続くという意味で、ただの「減少」とは区別しています。
画像診断医の数と分布の偏りによって、必ずしもこうはなりませんが、この2年間はたぶんこういう傾向に沿って進むでしょう。
都市型病院での問題
ほかよりはましでしょうが、現在行われている遠隔画像診断が打ち切られることによっての問題が発生します。
- 祝休日の分を出していて、休暇明けの日の累積した仕事増加を緩和している
- 苦手な分野の読影を専門家に依頼している
などの事例をよく聞きますが、それらが撤廃される見通しのところが多いです。
その分が非常勤医の増加などによってカバーできればいいですが、1 の問題はどこの病院もかぶる問題ですから人手不足が予測されます。
ヘタをすると一人常勤のところは常勤医が逃げ出してしまう可能性があります。
近郊方病院での問題
- 非常勤医の減少(都市部の両院に取られる)によって、常勤医のオーバーワークが引き起こされる
- 常勤医もやがて減りだす
- 常勤医が減れば非常勤医の仕事量が増えるが、必ずしもペイはそれに連れて増加しないので非常勤医も増えない
というネガティブ・スパイラルに陥り、次の遠隔地型病院と同じ状態に転落します。
遠隔地型病院での問題
最初は常勤医を確保しておこうとしますが、非常勤医が来る可能性はありませんので、常勤医が辞めてしまう。
辞めると遠隔画像診断を使わざるをえません。
なまじっか常勤医ががんばるとその導入が遅れます。
病院の意向と常勤医の質など、ケースバイケースでいろんな場合が考えられます。
- 画像診断管理加算1を諦めて、常勤医+遠隔画像診断を行う
- 常勤医を0にして(自主的退職あるいは解雇)、遠隔画像診断のみを行う
- 常勤医を置いたまま、遠隔画像診断も使わずに、常勤医の能力の許容範囲内に画像診断およびその管理業務の範囲を減らす
のいずれかに落ち着く可能性が高いですね。
どこでもそうですが、病院には救急体制などで定められたピラミッド型の序列があり、画像診断をきちっと迅速に行う必要のあるところと、そうでないところがあります。
特に地方では病院同士の横の競争は少なく、上下関係がきちっと明確にわかるようになっています。
上の3つの予想のどれによるかはその病院個別の事情によるということです。
遠隔画像診断業界の変化
ということで、もう少し経てば遠隔地型病院(および一部の近郊型病院)からの遠隔画像診断依頼がどっと増えるのではないかと少し危惧しています。
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Comment
厚労省含め国は病院の集約化も
進めているのでおそらく遠隔地の病院は
存在そのものが消えそう。
まぁ少子高齢化で人口は減るので当然と言えば
当然ですが減り方も一様ではなく都市部は微減で地方は激減って感じでしょう。
そうなると最終的に県庁所在地に大規模総合病院が1つみたいな感じになりそう
人口が減少してそのうち秋田市までなくなるということですから、その前に遠隔地の病院はあらかた消滅するでしょうね。